ここでは、「Tiretread.jmp」データテーブルを使用して、不適合率プロファイルの標準的な使用手順を紹介します。「Tiretread.jmp」データテーブルのデータは、「シリカ」、「シラン」、「硫黄」がタイヤスレッドの性能を示す4つの指標にどのような効果を及ぼすかを調べた実験の結果です。
1.
[ヘルプ]>[サンプルデータライブラリ]を選択し、「Tiretread.jmp」を開きます。
3.
「予測式 摩擦」「予測式 引張応力」「予測式 伸び」「予測式 硬度」を選択し、[Y, 予測式]をクリックします。
4.
[OK]をクリックします。
5.
6.
7.
各応答について、仕様限界を入力します(図7.8 )。[保存]をクリックします。
図7.16 プロファイルでの変量効果の設定
9.
「シミュレータ」の赤い三角ボタンのメニューから[不適合率プロファイル]を選択し、不適合プロファイルを表示します。曲線、平均、標準偏差は、シミュレーションのたびに異なりますが、だいたい同じ値になります。
図7.17 不適合率プロファイル
メモ: 実際の数値は、図7.17 に示されているものとは異なる場合があります。
「シリカ」の曲線を見てみましょう。「シリカ」の値が0.95のとき、不適合率は0.001ですが、「シリカ」が0.4または1.8のときには1にまで上昇しています。「シリカ」は、それ自体、ランダムに変動する因子です。「シリカ」の不適合率プロファイルをその確率分布で積分した結果、不適合率の平均は0.033程度に推定されています。これは、「シリカ」全体における不適合率の平均値を表します。この値は、シミュレーションのヒストグラムの下に表示される全体の不適合率を推定したものですが、全体のシミュレーションではなく、数値積分によって求められています。その他の因子の平均も同様です。求め方が異なっているため、各因子ごとに表示されている平均値と、ヒストグラムの下に表示されている不適合率は、まったく同じ値にはなりません。また、「シリカ」の変動を考慮した不適合率の標準偏差も推定されています。「標準偏差」の値は0.057です。標準偏差は、その因子に対する不適合率の感度を表しています。
3つの因子の標準偏差を見てみると、「硫黄」「シリカ」よりずっと高い値であること、「シリカ」「シラン」よりずっと高い値であることがわかります。つまり、不適合率を改善するためには、「硫黄」の分布を改善するのが近道のようです。分布を改善する方法としては、平均を変化させる、標準偏差を変化させる、特定の仕様限界を満たさない部品を拒絶することで分布を切断する、の3つが挙げられます。
10.
「シミュレータ」の赤い三角ボタンのメニューから[不適合率パラメトリックプロファイル]を選択します。このコマンドは、各因子分布の変化が不適合率にどのような影響を及ぼすかをグラフ化します。
図7.18 不適合率パラメトリックプロファイル
「硫黄」について詳しく調べてみましょう。必要に応じてグラフを拡大し、詳細を確認できるようにします。
青い曲線は、「標準偏差の変化」を表します。この青い曲線と2本の青い点線の交わっているところが現在の不適合率です。青色の曲線は、因子の標準偏差を変化させたときの、全体の不適合率の変化を示しています。平均±1標準偏差の位置に、青色の縦点線は引かれています。青色の曲線は、中心に対して左右対称に引かれます。通常、青色の曲線は中心において最小値となります。これは、標準偏差が0のときの不適合率です。「硫黄」の変動を完全に取り除いた場合、不適合率はおよそ0.003ということになります。これは、0.03よりずっと良い値です。他の不適合率パラメトリックプロファイルを見ると、他の因子の変動を減らすより、「硫黄」の変動を減らす方が効果的なことがわかります。これは、「硫黄」の標準偏差の値から予想される結果に一致します。
USLの変更を表すオレンジ色の曲線には、問題解決の鍵が隠れています。右から左へたどってみると、曲線は現在の不適合率(0.03)から始まり、「硫黄」のUSLを小さくして、「硫黄」が多すぎる素材を棄てれば、全体の不適合率が改善するのがわかります。しかし、「硫黄」の仕様限界を中心ぐらいまでずらすのは、素材の半分を捨ててしまうことになるので、現実的な案とは言えません。
こうしてすべての因子について調べた結果、最初に行うべき改善処置は2つ考えられます。一つは、「シリカ」の平均を1に変更すること、もう一つは、「硫黄」の変動を減らすことです。一般に、工程平均の方が工程変動よりも変更が簡単なので、「シリカ」の平均を1に変更するのが妥当でしょう。
11.
1.2だった「シリカ」の平均を1.0に変更します。[再実行]をクリックします。
図7.19 「シリカ」の平均の変更
[再実行]をクリックすると新しい曲線が表示されます。
図7.20 調整後の不適合率