ユーザー事例

株式会社村田製作所

JMPの導入でデータマイニングへの取り組みが加速
全国の現場技術者が活用し、客観的な解析結果を改善活動に生かす

Murata Cheerleaders

株式会社村田製作所

チャレンジ生産工程で生じる膨大なデータから生産課題を発見し、改善するための統計解析ツールが求められた
解決策現場技術者の標準的な統計解析ツールとしてJMPが浸透し、データ解析の結果を現場の改善に生かすプロセスも整備された
結果セラミックスの焼成工程において収縮率に影響を及ぼす因子の絞り込みを実施。収縮率のバラツキを安定させる焼成工程を構築し、製品の小型化を実現した

株式会社村田製作所(以下、村田製作所)は、2001年からJMPを利用するユーザー企業だ。全社の生産系データから生産課題の解決につながる有効な手がかりを発見する「モノづくり強化推進部」は、日々データ分析を行い、現場の技術者と連携してさまざまな改善を成し遂げてきた。JMPは業務に定着し、ユーザーがノウハウを共有する社内イベントを定期的に開催するなど、さらなる改善に向けた取り組みも進めている。

科学的管理で世界をリード

村田製作所は、電子部品の製造・販売を軸にグローバルでビジネスを展開する電子部品メーカーだ。世界トップシェアを誇るコンデンサをはじめとする同社製品は、私たちの身の回りにあるさまざまな電子機器や自動車に組み込まれている。製品品質を高レベルで均質化することはもちろん、小型化、高機能化、および薄型化と改善サイクルを高速化するなど、最新テクノロジーで業界をリードしている。

2001年、同社はデータマイニングを推進するデータ解析チームの発足に合わせてJMPを導入。その後、全社の生産情報を集約するプラットフォームとして、そのデータベース構築にSASを導入した。平たく言えば、現在は、「データを集めてきれいな状態で蓄積していく」のがSASの役割で、JMPの役割は、「そのデータを使って、日々新たに発生する課題を解決する」ことだ。

モノづくり技術統括部 モノづくり強化推進部 生産革新2課 マネージャー下八重 修氏は、「モノづくり強化推進部では、生産工程で生じる量産データを使って解析を行い、現場と一体になって改善につなげるデータマイニングを行っています。現在のチーム構成は、データを解析するチーム、分析環境を整備するチーム、業務とITの両面で工程管理を担うチームの3つ。データ解析チームがJMPの専門家という位置づけです」と語る。

データ解析の結果を現場の改善に生かす

JMPの運用開始後、データマイニングへの取り組みは一気に加速した。分析にあたっては、多変量解析から始まり、多くの変数から2つのあらゆる組み合わせによる変数の関係性を見るようにしている。まれに、(新規性の高い商品等で、)想定外の因子の関係を抽出することもあるが、多くの問題は、整理されたセグメント内の仮説に基づく2つの変数の関係性を定量的に確認することで解決できるという。

下八重氏は、「われわれは投資対効果をシビアに評価します。データ解析によって見えてきた課題・テーマに優先順位を付け、大きな改善効果を見込めるものについて取り組みます。定着化については、データ解析による成果を積み重ね、その有用性を啓蒙することで、関連部門の協力を得やすい環境を作ることから始まりました」と話す。

データ解析チームは、取り組むべき課題・テーマを決定すると、実際に各製造現場へ出向き、現物に触れ、現実をとらえる。現場の技術者が持つ知見やノウハウに、生産機械のセンサーデータを含む膨大なデータ解析によって得られた科学的な見解を加えることで、改善効果を最大化できると考えているためだ。また、JMPを使ってデータ解析の結果を示し、それをどのような意思決定に役立てられるのかを現場サイドに説明するとともに改善策を提案する場も設けている。

こうした活動は、着実に実を結び、目に見える成果が出てきている。JMPは現場技術者の標準的な統計解析ツールとして浸透し、客観的なデータ解析の結果を現場の改善に生かすプロセスも定着した。下八重氏は、「思考の連続性を分断することなく、データを探索できるのがJMPの魅力です。思考のスピードで処理できれば、新たな分析視点の発見を妨げることもありません。JMPというソフトウェアを使い続けるか否かという判断にもROIの測定を求められていますが、十分に達成しています」と語る。

下八重 修氏 (Osamu Shimoyae)

「思考の連続性を分断することなく、データを探索できるのがJMPの魅力です。思考のスピードで処理できれば、新たな分析視点の発見を妨げることもありません。」

下八重 修氏
株式会社村田製作所
モノづくり技術統括部
モノづくり強化推進部 生産革新2課
マネージャー

分析は、製品の小型化にも役立つ

同社では、新商品比率が40%を越えており、製品ライフサイクル短縮化への対応が不可欠だ。そこで、市場や顧客のニーズに合わせた製品を迅速に提供するため、JMPを活用して生産工程の改善に取り組んでいる。

通常、セラミックスは、焼成工程において積層体の密度や、炉内温度、焼成物と支持体との摩擦などに起因して収縮率にバラツキが出る。そこで同社は、生産工程において生じる必要なデータを収集し、JMPによる解析で収縮率に影響を及ぼす因子の絞り込みを実施。各因子と収縮率の関係をつかみ、焼成工程を改善することで収縮率のバラツキを安定させることに成功。焼成による収縮を加工部門が要求する寸法内にとどめることも可能になった。

下八重氏は、「収縮率のバラツキが大きければ、どうしても部品間ギャップを大きくとらざるを得ません。収縮率の安定化により、部品間ギャップを狭くすることが可能になり、結果として製品の小型化を実現できました」と話す。

村田製作所では、独自のマイニング研修を実施するなど、技術者のスキルアップを目的とした統計教育にも積極的に取り組んでいる。具体的には、認定試験をクリアしたインストラクターが、基礎・専門講座を社内で開催したり、日常業務内での統計指導やフォローを行ったりして技術者の育成を支援している。変数の設定方法や、セグメントの絞り方などを、適用のやり方を体系的にまとめ、マニュアル化も行った。

さらに、日常業務におけるマイニングの課題の検討や、JMPによるデータ解析事例の発表を行う「データ活用交流会」を年に2回開催している。交流会では、解析ノウハウの観点ごとにテーマが選出され、現場のJMPユーザーがナレッジを共有する。

下八重氏は、「社内のデータ解析に取り組む意識は、定着した現在でも、さらに高まっています。今後も、JMPの活用をさらに深め、モノづくりのプロセス改善とさらなる品質向上を推進します」と話している。

※ 本事例に記載の内容は2015年11月時点のものです

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