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経験豊富なプロフェッショナルに勧めたい新たな統計学習法

グラフィックス分野の世界的リーダーNVIDIAで、従業員のスキルアップをもたらした無料のオンライン統計コースとは

NVIDIA

課題テクノロジー部門の従業員の多くは、広範な工学の知識や経験を有しているものの、高度なデータ分析についての経験はやや限定的。
一方で、世界の業界をリードする経営者たちは、従業員が統計的思考を持つことを期待。  
ソリューション経験豊富なエンジニアとコンピュータサイエンティストに役立つ統計分析の応用に関するOJTを提供。
NVIDIAの経営層は、社内学習プログラムに無料のオンライン統計コース「製造業における問題解決のための統計的思考」(STIPS;Statistical Thinking for Industrial Problem Solving)を採用。STIPSは、自分のペースでインタラクティブに学べ、業界標準のソフトウェアであるJMPの習熟の機会に。
結果NVIDIAの製品品質開発/品質管理システム部門のシニアディレクターであるPete Cannon氏は、「STIPSは、多くの組織が日々直面する共通の課題や問題意識をベースに、統計理論とJMPのハンズオン学習のバランスが非常によく取れています」と述べています。

ゲーム業界は、従来の慣習にとらわれないキャリアを築けるだけでなく、イノベーションを起こすチャンスがある点でも、多くのエンジニアリングとコンピュータサイエンスの専門家が憧れる業界の1つになっています。過去30年間、AIやロボット工学など、現実世界の重要なイノベーションが(少なくとも部分的には)ゲーム業界の進歩から生まれました。

そして、ビデオゲームのコンピュータグラフィックスを変革する使命を持って1994年に設立されたNVIDIAの業界における急成長は、ゲーム市場の大幅な成長と、より優れた 3Dグラフィックスに対する飽くなき需要によって支えられてきました。
現在、NVIDIAのグラフィックスカードのパフォーマンスは世界標準で、バーチャルリアリティ、ハイパフォーマンスコンピューティング、人工知能で横断的にマシン変革を起こしています。

NVIDIAはゲーム業界を超えて成長し、映画のVFXやAIなどに不可欠なツールを提供しています。世界の上位10機のスーパーコンピュータのうち8機がNVIDIA GPU、InfiniBandネットワーク、またはその両方を使用するようになりました。これには、米国で最速のスーパーコンピュータであるSummitや、欧州や中国で最速のシステムも含まれています。また、最新の情報では、NVIDIAは上位500システムのうち333システムに製品を提供しています。NVIDIA製品はモバイルデバイスからエンターテインメントシステム、自動運転車両など、あらゆるものに使用されているのです。 

予測分析がイノベーションを加速

10年以上にわたり、Pete Cannon氏はカリフォルニア州サンタクララ、香港、中国深圳のチームで製品品質開発/品質管理システム部門のシニアディレクターとして、NVIDIA社内における統計手法の利用拡大に尽力してきました。

「継続的な改善の取り組みは、当社の重要な責任の1つです」と同氏は説明します。Cannon氏とチームは統計分析によって、インライン生産品質モニターと顧客フィードバックから製品パフォーマンスを評価するための詳細なKPI(重要業績評価指標)を用意しました。部門横断的なチームのサポートにより、JMPの機能を使用して改善の機会を分析し、優先順位付けしています。 

予測的かつ継続的な学習により、設立以来NVIDIAをNVIDIAたらしめてきたイノベーションを一層加速できます。NVIDIAのエンジニアは1999年にGPUを発明し、リアルタイム のプログラム可能なシェーディングを実現して、アーティストに表現のための無限のパレットを提供しました。2020年5月、NVIDIAがエラスティックコンピューティングの時代に向けて設計されたAmpereアーキテクチャを発表したことで、あらゆる規模での比類なき加速を提供でき、イノベーターがライフワークを実現できる環境を生み出すなど、大きな飛躍を実現しました。


  • 「データ探索クラスを受講した初日の夜に問題を解決することができました。JMPでデータのパーティショニングについて学んだ結果、分析にExcelを使うのをやめてJMPに切り替える必要があることに気付きました。それ以来、毎日JMPを使い続けています」

    NVIDIA社  製品品質開発/品質管理システム部門シニアディレクター
    Pete Cannon氏

10年以上、統計ノウハウを提唱

Cannon氏は、品質管理において、ただのデータを価値ある情報に変換するため、長い間分析を頼りにしてきました。Cannon氏はキャリアの早い段階で、業務でこれらのスキルを磨き始めましたが、彼の使用していたソフトウェアではすぐに限界に達してしまいました。

多くのエンジニアと同じように、Cannon氏は最も厄介な分析にもMicrosoft Excel(以下、Excel)で取り組んでいたのです。しかし、Excelでは品質管理で一般的な分析を処理する機能が限られており、グラフィックスの静的な性質によってデータ探索が制限されていました。Excelでは不足だったのです。

「Excelでは私の対処している問題を解決することができませんでした。そして以前JMPについて聞いたことを思い出したのです」と同氏は振り返りますす。12年前、Cannon氏はサンフランシスコで開かれた3日間のJMP®ワークショップに参加していました。「データ探索クラスを受講した初日の夜に問題を解決することができました。JMPでデータのパーティショニングについて学んだ結果、分析にExcelを使うのをやめてJMPに切り替える必要があることに気付きました。それ以来、毎日JMPを使い続けています」

特にJMPのインタラクティブなデータ可視化機能は、抽象的な統計概念をより分かりやすく利用しやすいものに変えるのに役立つだけではなく、Cannon氏が生データを信頼できる洞察として理解する際にも非常に役立ちます。数あるプラットフォームの中でも同氏がよく使用しているのは、データの可視化(「グラフビルダー」)、データ探索(「分析」>「一変量の分布」)、分布のシフトと時系列変化の評価(箱ひげ図と「バブルプロット」)、高度なデータ要約の作成(「分析」>「表の作成」)、データ操作(「列の積み重ね」と「列の分割」)、カテゴリ間のパラメトリック分布を比較し差異を特定するための一元配置分析の実行(「二変量の関係」)、最適の信頼性モデルの特定(「信頼性/生存時間分析」>「寿命の一変量」)、相関行列の作成(「多変量」分析)、最適な実験の実行回数と対応する設定の検出(「実験計画(DOE)」>「カスタム計画」)、製造における制御不能イベントの調査(「管理図ビルダー」)、回帰分析(「モデルのあてはめ」)、ブートストラップ森とパーティション分析の作成(「予測モデル」)などです。

ニーズと機会を認識

JMPを採用してすぐ、Cannon氏はJMPという、より効率的な手法があるにもかかわらず、同僚の多くが分析に他のツールを使用していることに気付くようになりました。「私が新人だったころの上司は、データ分析の最初のステップはデータをプロットすることだと常に言っていました」と同氏は述懐します。「その後の数年間、多くの人がその言葉に従わずに苦労しているところを見てきました。そうでなくとも、テーブルを直接操作してしまい、グラフビルダーならすばやく特定できる情報を見逃したり、見つけるのに手間取ったりする人もいました。私は会議で生データのスプレッドシートを見ると、必ずファイルをもらえないかと頼んでいます。ほんの数秒で役立つ情報に溢れた分析を生成できるのです」

Cannon氏はトレーニングプログラムの参加者に、「データの可視化作業に、Excelで月に5分以上費やしているのであれば、JMPを使いなさい。時間の無駄を減らせます」と言っています。その例として、同僚に箱ひげ図の歩留まり傾向のX/Yトレリス・ウエハーマップをExcelで再現するよう持ち掛けたりもしました。「2009年以来、私はExcelでグラフを作成していません」と同氏は笑って言います。

ここに、新しい統計ソフトウェアへの社内のニーズと、同氏がこれまで体得してきたものを皆に広める機会の両方がありました。Cannon氏にとってそれは、10年以上前、同氏に多くの可能性の扉を開いてくれた素晴らしい統計ツールをチームに使ってもらうことを意味していました。そのため、同氏はNVIDIAのオペレーションチーム向けにJMPトレーニングコースを企画しました。

「データを日々分析し、広く使われる統計分析プラットフォームについてもある程度知識があるエンジニアにとって、最も有益なアウトプットを提供するために、私は過去にJMPをどのように使用していたかを調べました」と同氏は語ります。「グラフビルダーは日々の業務で極めて有用なツールです。データの迅速なインポートや、外れ値にラベルを付けた重要なデータの可視化ができるため、意思決定のスピードが加速します。これらはすべて非常に強力なツールであり、適時性と内容の両方において、競合するツールよりもはるかに優れています」

NVIDIAの全員がこのような作業に必要な種類の統計的知識を持っているわけではありません。Cannon氏は、JMPが初めてのエンジニアでもツールを使用して分析のスキルを向上させることができていることに着目しました。これが、Cannon氏が経営層の全面的な支援を受けて、会社のエンジニアが利用できる継続的な教育とOJTの範囲の拡大を自ら進んで引き受けた理由のひとつです。 

業界の専門家から直接学び、自分のペースで学習できる短期集中コース 

Cannon氏が社内で主催する年に2回の「JMP Days」は、NVIDIAが従業員のスキルアップに重点を置いていると分かる代表的な例です。これらの通常3時間のイベントでは、JMPのエンジニアから、オンサイトトレーニングとQ&Aサポートを提供します。また、NVIDIAのエンジニアからはプレゼンテーションやソフトウェアの使い方のヒントを共有しています。

しかし、分析に関する組織的文化を構築するというNVIDIAの方針に沿って、トレーニングの機会はそれだけに留まりませんでした。2019年にCannon氏は、JMPの無料オンライン統計コースである「製造業における問題解決のための統計的思考」(STIPS;Statistical Thinking for Industrial Problem Solving)を補完的推奨トレーニングとして追加しました。「STIPSがNVIDIAで統計的思考をさらに普及させる絶好の機会になることは解っていました」と同氏は述べ、統計の基本的概念の理解だけでなく、データ駆動型の問題解決スキルの開発の必要性を強調しました。

STIPSは、JMPによって提供されていますが、その25時間以上に及ぶコンテンツは業界の経験を持つ専門家達によって作成されています。また、このコースで引用されている例は、実際の事例をもとにしており、業界の課題に対処することで統計的思考がインスパイアされるように設計されています。 

NVIDIAでは現在、STIPSの学習法として、自習と、週に1時間、WebEx会議で参加者が一緒に学ぶ、2種類を従業員に提供しています。 週1回のセッション(品質管理グループのエンジニアであるIris Shen氏が主導)には、社内の10を超える部署の従業員が参加し、長年JMPを高度なレベルで使用してきた人からExcel以外の統計ツールを使用したことがない人まで、幅広い層が参加しています。 

「STIPSでは、多くの組織が日々直面する共通の課題や問題意識をもとに、統計理論とJMPのハンズオン学習のバランスが非常によく取れています」とCannon氏は述べています。「私が話した相手全員に好評で、今年も開催することを検討しています。 このトレーニングの価値が最もよく分かるのは、会議に出て、そこで使われている統計手法から参加者の進歩の跡を見たときです」 

最後に、社内でデータ分析の文化を広めようとしている人へのアドバイスを尋ねると、「課題解決のため、統計ツールをもっと広く活用したいと考えている方には、STIPSを強くお勧めします」とCannon氏は答えてくれました。

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The results illustrated in this article are specific to the particular situations, business models, data input and computing environments described herein. Each JMP customer’s experience is unique, based on business and technical variables, and all statements must be considered nontypical. Actual savings, results and performance characteristics will vary depending on individual customer configurations and conditions. JMP does not guarantee or represent that every customer will achieve similar results. The only warranties for JMP products and services are those that are set forth in the express warranty statements in the written agreement for such products and services. Nothing herein should be construed as constituting an additional warranty. Customers have shared their successes with JMP as part of an agreed-upon contractual exchange or project success summarization following a successful implementation of JMP software.