JMP On Air 日本版は、JMPのさまざまな機能について、デモンストレーションでご紹介するWebセミナーシリーズです。

近年、機械学習などの高度な手法によるビッグデータ解析が注目されていますが、高度な手法に頼らず、JMPの基本的メニューで解決できる問題が、メーカーの開発・生産現場には数多くあります。

こうした場における業務改革に統計を活用する方法について、外部から講師をお招きして全5回で開催したセミナーを、オンデマンドでもご視聴いただけます。

講師の細島章様は、Discovery Summit Japanで毎年ご発表をいただき、そのセッションには毎回多くの方々が参加されています。
このセミナーでは、Discovery Summit Japanでのご発表をさらに掘り下げ、また細島様の業務におけるご経験を織り交ぜてご講演いただきました。
(2021年2月~4月開催)

講師紹介


東林コンサルティング 代表 細島 章

山武ハネウエル(現Azbil)でFA開発部長、理事 研究開発本部長、理事 品質保証推進本部長、アズビル金門参与、などを歴任したのち東林コンサルティングを設立。
専門領域は生産データ解析による歩留まり改善や品質改善、市場不良予測・ロバスト設計・最適化設計・実験計画などの統計的問題解決全般、デザインレビュ―・根本原因分析手法(RCA)・ヒューマンエラーの未然防止・工程改善などの現場指導など。

著書:
『ネットビジネスの本質』、『実践ベンチャー企業の成功戦略』、『よくわかる「問題解決」の本』

Discovery Summit Japanでの講演:
「作業ミスを誘発する組織要因を可視化し改善を促進する仕組みの提案」(2018)
「JMPによる品質問題の解決~製造業の不良解析と信頼性予測~」(2019)
「JMPによる実験と解析の効率化」(2020)

各回の内容

各回とも、講師の説明とデモンストレーションを視聴いただく形式です。タイトルをクリックすると概要が表示されます。

第1回 クレーム対応の根拠となる信頼性予測

市場クレームが発生すると、不良が将来さらに増えるのか、損出額はどのくらいかを正確に予測することが求められます。希望的観測は到底許されず、社内の上層部と顧客を納得させる数理的な予測と根拠が求められます。そこでJMPの信頼性予測は目を瞠る威力を発揮します。

過去の生産データと不良データのテーブルを信頼性予測で分析することで故障モデルと故障率を予測し、将来の故障数を予測します(たとえばYY年の故障数は100、信頼区間XX~YY)。故障モデルはWeibull、正規、指数、Fréchet、最大極値などの豊富なモデルが用意されており、最も適合する故障モデルと適合性を示す統計指標が示されます。

累積故障率グラフと故障リスクの時間推移を示すハザードグラフが役立ちます。前者は累積故障率がXX%になる時期を予測します。ハザードグラフは故障カーブ(初期、偶発、摩耗)と故障確率を明らかにします。

多くの装置故障は複数の原因で起きるので、ノイズ誤動作、ソフトウエアバグ、取り扱い不良、部品劣化など、原因別に不良データを分析すれば、固有の故障モデルと故障カーブが明らかになります。原因が特定できない市場不良は、故障カーブ(初期、偶発、摩耗)が判明すれば、原因究明のヒントになります。現実の故障は部分故障モデルが多く、これを通常の故障モデルで予測すると損出を過大に見積ることになります。

第2回 JMPによる原因究明

今日は生産現場の不良原因究明や歩留まり改善をパティション(Pat)分析やモデルのあてはめを用いて分析します。 生産現場のデータを入手して分析を手掛ける場合には、サンプルデータや本に載っているデータを分析する場合とくらべて全く違った難しさに直面します。

第1に、データに含まれるデートコードやシリアル番号などを適切に処理する必要があります。シリアル番号を入れて分析するとこれが寄与率の高い要因になってしまうことがあります。デートコードも同様です。月・曜日・時刻などを抽出して分析することで、季節変動や経時変化を発見できることがあります。

第2に、分布が重なっていたり対称でなく偏りがあったりします。後者の場合は適切な変換によって重回帰分析のあてはまりが良くなることがあります。

第3に、現場データは往々にして非常に相関が強い因子が含まれていることがあります。そのまま重回帰分析を行うとあてはまりの悪さが有意になることがあります。多変量の相関によるスクリーニングが必要になります。

適切な前処理を行ってもパティション分析のあてはまりが良くない(分岐が進まない)ことがあります。そういう場合はモデルのあてはめ(1次)を行います。パティション分析もモデルのあてはめ(1次)もあてはまりが良くない場合は、その交差(交互作用)をモデルに加えたあてはめ(2次)を行います。パティション分析で交互作用が明らかになった場合はその交差をモデルに加えます。多変量解析の前に必ず2変量の関係を確認しますが、2変量の関係で有意になった因子が多変量解析では有意にならないことは良くあります。逆もまた起こります。

良不良判別ではMT(Mahalanobis Taguchi)法が威力を発揮することがあります。スクリーニング→外れ値を調べる、によって簡単に実行できますから選択肢の一つとして念頭に置くと良いと思います。良否条件を関係者に訴求する際にはプロファイルやPat分析の葉のレポートが便利ですが、LDFを使って可視化する方法もおすすめです。

第3回 実験計画の問題解決

今回は実務で直面する実験計画の問題解決方法がテーマです。

JMPを使わずに計画・実施された「独自」実験を目にすることがあります。たとえば加工や成形の条件だしで膨大な数の実験が行われ、交絡があるため主効果の推定が正しくできないことがあります。そういう場合はJMPの計画の診断で交絡状況を可視化し、決定的スクリーニング計画(DSD)やカスタム計画を使うように指導します。数十回の独自実験で得られるモデルがわずか十数回の実験で得られることを示すと説得力があります。実験実施に先立って実験計画の事前レビューを行わないと、こうした実験の無駄が生じます。

JMPを使って計画された実験でも実務的な問題に直面することがあります。たとえば条件だしの実験で計画通りの水準のサンプルがどうしても手に入らないことがあります。そういう場合は「計画の診断」を行い、当初計画と修正計画で交絡状態や検出力の差異を確認し判断します。また実験を実施して欠測値が生じることもあります。欠測値のまま解析する方法、全平均値を入れる方法などがあります。’Design of Experiment’: Modern Approachの事例を使って、欠測値処理方法による予測値の違いを確かめます。

欠測値が生じた実験を拡張計画でリカバーする方法がビデオ`How Do I Repair a Broken Experimental Design? ’ で紹介されています。最後にDiscovery Summit 2020で説明しきれなかった点をお話しします。DSDから拡張計画を実施する手順、 DSDあてはめのステージでのp値調整法などです。

第4回 JMPによるマネジメント変革・組織改革

Discovery Summit Japan2018では「作業ミスを誘発する組織要因を可視化し改善を促進する仕組みの提案」というタイトルで講演をしました。内容は、作業標準の遵守、作業教育の実施、気づき発信と受け止めに関するアンケート調査によって、組織の問題点を把握し、マネージメントのアクションを引き出し、その変化をアンケート調査で確認するものです。今回はその後の品質改善成果も報告します。

テキストマイニングによる品質傾向分析についてもお話します。年間の不具合調査報告書をテキストマイニングによって頻出する言葉と関連語を可視化して、問題点をクローズアップします。たとえば「不注意」や「確認不足」という言葉と短絡する形で「教育」や「注意喚起」という言葉が頻出する実態が明らかになります。作業手順や発生プロセスを示す言葉が出現しないことから、RCA分析(根本原因分析)が適切に行われていないこと、その結果、問題の原因が放置されていることが明らかになります。

製造現場では作業中の製品に違和感を感じたときどんなアクションをとるべきかを教育しています。教育の浸透度を調べるアンケート調査では、具体的ないつかの想定質問に対して、正しいと考えるアクションを書いてもらいます。それを集計して分析することで、全体的に正解が多い質問と不正解が多い質問、不正解が多い組織や経験年数などが明らかになりました。こうしたアンケート調査による診断は、職場風土調査、360度評価などの結果の分析にも応用できます。

第5回 JMPによる業務改革の進め方

今日はデータサイエンスの普及推進やJMPによる業務改革についてお話しさせていただきます。
設計・技術の審査部門の責任者がJMPによる開発業務の改革を推進しているケースがあります。
企業内で組織横断的な指導をしているデータサイエンティストもおられます。特に前者は組織的展開が非常にうまく行っているケースだと思います。

データサイエンス教育については統計数理研究所所長椿先生の仰る「手法の階層性を意識した教育」が重要だと感じています。余計なことは教えない方が良いとすら感じています。差異の有無や変化の有無の判定、交互作用、2変量と多変量の解析結果の違い、層別で変化する結果などを事例で教えることが重要だと感じています。

データサイエンス教育で大切なことは誰もが陥る思考の罠に気づかせることです。ひとつは2変量病、米国ではOFAT syndrome、万国共通の罠だと気づきます。ちょっと脱線しますが、合否基準を実験目的に明記せずに、単に異常なしとする問題もよくあります。

日本では文献やデータがあまり入手できない手法があります。DSDや信頼性予測の部分故障モードなどがそうです。DSDはJMPのコミュニティでLearn JMPからビデオや文献が入手できます。Split PlotデザインをJMPで実行する手順もビデオが入手できます。コミュニティから入手したLeastSquares.jslは秀逸な出来栄えです。このお陰で最小2乗法が良く理解できるようになったと好評です。私は自動翻訳モードを使っていますが十分使えるレベルです。あやしげなところは原文に当たります。

Discussionにアップされている文献や発言も参考になります。コミュニティ情報をもとに部分故障モードを記述している本’Applied Reliability’ に辿りつくことができました。DSDの記述がある本’Design of Experiment: Modern Approach’もそうやって見つけることができました。今やこの本は私の座右の書になりました。

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