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公開日: 11/25/2021

「モデルに基づく多変量管理図」プラットフォームの統計的詳細

監視の統計量

T2

T2管理図には、i番目の観測から求められたEquation shown here値が上にプロットされます。履歴データおよび現在データに対して、k個の成分を持つPCAモデル(主成分分析モデル)やPLSモデルにおいて、T2値は、次のように定義されます。

Equation shown here

ここで

ti = i番目の観測における、k個のスコアからなるベクトル

Sk = 履歴データでのk個のスコアから計算された標本共分散行列(この行列は、対角行列です)

主成分分析モデルの場合、Skは、対角要素が固有値となっています。

PCAやPLSを計算するにあたりデータが中心化されている場合には、k個のスコアにおける各々の平均は0です。相関行列もしくは共分散行列に対するPCAや、中心化をしたPLSでは、上記のような平均化が行われます。Xが中心化されていない場合には、データがユーザーによって中心化されたものと仮定され、k個のスコアの各々の平均が0になります。HotellingのT2の詳細については、Montgomery (2013)を参照してください。

SPE

PCAモデルとPLSモデルでは、前処理されたX行列は次のように分解できます。

Equation shown here

ここで、Tk= (t1,...,tk)は、k次元スコア行列で、Pk= (p1,...,pk) は、PCAモデルの場合は最初のk個の固有ベクトルを持つ行列、また、PLSモデルの場合は負荷量行列です。このPCAまたはPLSモデルの2乗予測誤差(SPE)がSPE管理図に使用されます。

SPE管理図には、i番目の観測値から求められたSPEiの値がプロットされます。2乗予測誤差(SPE)は次のように定義されます。

Equation shown here

ここで

ei = 観測値iの残差ベクトル

p = 変数の個数

Xモデルまでの距離

DModX管理図には、iの観測値から求められたDModXiの値がプロットされます。Xモデルまでの正規化した距離(DModX)は次のように定義されます。

Equation shown here

ここで

eij = 観測値i、変数jの残差

df1 = pk

データが中心化されている場合は、df2 = (nk−1)(pk)、データが中心化されていない場合は、 (nk)(pk)

n = 履歴データの観測数

k = PCA成分またはPLS成分の個数

p = 変数の個数

メモ: DModXiは、SPEi1/dで尺度化した値です。

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