公開日: 11/25/2021

誤差因子

メモ: 誤差因子を含む状況での最適化は、予測プロファイル、等高線プロファイル、カスタムプロファイル、配合プロファイルで使用できます。

工程変数にばらつき(変動)がある状況でも、安定して許容範囲内になる製品を製造できるような設計を、「ロバスト設計」と言います。実験では制御できる因子のなかには、実際の現場では制御できないばらつきをもつ因子もあります。一般的に、因子がもつばらつきは、応答に対して影響を与えます。応答に伝達されるばらつきを、伝達変動(transmitted variation)と呼びます。このようなばらつきのある因子を誤差因子といいます。その一部は、環境誤差因子など、実際の現場だけではなく実験においても制御できないものもあります。いくつかの因子に関して、平均は自分が望むものに変更できるかもしれませんが、多くの場合、標準偏差は制御できません。異なる製造段階から生じる中間生産物に関する因子では、標準偏差を制御できないケースがほとんどです。

工程をロバストにするには、誤差因子に関して応答曲面が最も平坦になるところに設定を合わせ、誤差因子が工程に及ぼす影響を最小限に抑えるアプローチが有効です。「応答曲面が最も平坦になるところ」は、数学的に言えば、各応答を各誤差因子について一次微分した式(1階導関数)が0になるようなところです。JMPのプロファイルには、微分式を自動的に計算する機能もあります。

図2.11 誤差因子の例 

Noise Factor Example

誤差因子のあるモデルは、次の手順で分析します。

1. 適切なモデルを([モデルのあてはめ]などで)あてはめます。

2. [保存]>[予測式]コマンドを使ってモデルをデータテーブルに保存します。

3. [プロファイル]を起動します([グラフ]メニュー)。

4. 予測式に[Y, 予測式]の役割を割り当て、誤差因子に[誤差因子]の役割を割り当てます。

5. [OK]をクリックします。

作成されたプロファイルには、応答関数を誤差因子で微分した式が表示されています。微分式に対する満足度関数は、0のときに満足度が最大になるように設定されています。

6. [プロファイル]メニューから[最適化と満足度]>[満足度の最大化]を選択します。

これにより、誤差因子から生じる伝達変動を最小に抑えながら、因子の最適設定が探し出されます。

より詳細な情報が必要な場合や、質問があるときは、JMPユーザーコミュニティで答えを見つけましょう (community.jmp.com).