公開日: 04/21/2025

「モデルのあてはめ」での「応答のスクリーニング」の起動

「応答スクリーニングのあてはめ」を起動するには、[分析]>[モデルのあてはめ]を選択し、「手法」リストから[応答のスクリーニング]を選択します。「モデル効果の構成」セクションのタブを使用して、固定効果、変量効果、またはその両方の組み合わせを持つモデルを指定できます。

図24.6 「モデルのあてはめ」ウィンドウの[応答のスクリーニング](JMP Pro) 

Response Screening from the Fit Model Window in JMP Pro

「列の選択」の赤い三角ボタンのメニューのオプションについては、『JMPの使用法』の「列フィルタメニュー」を参照してください。

以下の列の役割は、[応答のスクリーニング]手法に固有のものです。

Image shown here関係行列ID

関係行列(relationship matrix)における列の名前を含む列を指定します。この列の役割は、遺伝的関係を表すnxnの関係行列がある場合に使用します。関係行列は、「近縁行列」(kinship matrix)とも呼ばれます。「関係行列ID」列を指定すると、この列の値によって、関係行列として使用するすべての列と、どの行がどの列に対応するかが識別されるようになります。関係行列は、「マーカーの関係性」プラットフォームを使用して作成できます。『遺伝学』の「マーカーの関係性」を参照してください。

以下の2つのロバスト推定オプションがあります。

ロバストなあてはめ(Huber)

(変量効果が指定されていない場合は使用できません。)応答変数が連続尺度である場合に、Huberのロバスト法による推定を行います。この推定方法は、外れ値による影響が少ないです。外れ値がない場合、推定値は最小2乗推定のものと近くなります。このオプションを選択した場合は、計算時間がかかります。

非常にロバストなあてはめ(Cauchy)

(変量効果が指定されていない場合は使用できません。)応答変数が連続尺度である場合に、非常にロバストな推定(Cauchy)を行います。この推定方法は、外れ値による影響が少ないです。このオプションでは、誤差がCauchy分布に従うと仮定されます。Cauchy分布は正規分布よりも裾が広く、その結果、外れ値が推定に与える影響が小さくなります。このオプションは、データにある外れ値の割合が大きい場合に有用です。しかし、データが正規分布に近く、外れ値が少ない場合は、このオプションの推定結果は間違ったものになる可能性があります。[Cauchyのあてはめ]オプションは、最尤推定によってパラメータ推定値を算出します。

ヒント: 両方のロバストオプションを選択した場合は、Cauchyの推定だけが実行されます。

[固定効果]タブ

すべての固定効果を[固定効果]タブに追加します。必要に応じて、[追加]・[交差]・[枝分かれ]・[マクロ]・[属性]の各オプションを使用します。これらのオプションの詳細については、『基本的な回帰モデル』の「モデルの指定」を参照してください。なお、固定効果を持たないモデルをあてはめることも可能です。

Image shown here[変量効果]タブ

[変量効果]タブでは、従来の分散成分モデルを指定します。また、グループ化された説明変数を変量効果部分の行列として指定することもできます。従来の分散成分モデルを指定する場合は、[追加]・[交差]・[枝分かれ]オプションを使用して、乱塊実験におけるブロック効果や、分割実験における1次単位効果などの変量効果を指定します。これらのオプションの詳細については、『基本的な回帰モデル』の「モデルの指定」を参照してください。

図24.7 変量効果がある「応答のスクリーニング」(JMP Pro) 

Response Screening with Random Effects in JMP Pro

「変量効果」タブの[連続変数の複合化]ボタンは、複数の連続尺度の列からなる1組を、1つの分散成分に関連付けられたグループ効果として追加します。このアプローチは、遺伝学分野で、遺伝的SNPが沢山ある場合や、発現データを含む列が多数ある場合によく使用されます。分析を行う前に、データテーブルで[列のグループ化]を使用して、データテーブル内の対象の列をグループ化しておけば、そのグループ化された説明変数を起動ダイアログで簡単な操作で追加できます。

メモ: なお、もし説明変数のグループに連続尺度でない因子がある場合は、そのグループ全体が分析に含まれません。

「応答のスクリーニング」で変量効果のあるモデルをあてはめる場合は、分散成分に負の推定値があってもかまいません。[分散成分の範囲制限なし]オプションを選択すると、負の推定値を持つ分散成分がゼロに制約されなくなります。このオプションはデフォルトで選択されています。固定効果に対する検定に主に興味がある場合は、このオプションをオンにしておいたほうが良いでしょう。分散推定値に非負の制約を課すと、固定効果の検定に偏り(バイアス)が生じるためです。[分散成分の範囲制限なし]オプションの詳細については、『基本的な回帰モデル』の「負の分散推定値」を参照してください。

メモ: 変量効果が指定されている場合は、[重み]と[度数]の役割が無効になります。

より詳細な情報が必要な場合や、質問があるときは、JMPユーザーコミュニティで答えを見つけましょう (community.jmp.com).