公開日: 04/21/2025

短期操業管理図の統計的詳細

ここでは、管理図ビルダーにおいて短期操業管理図の管理限界がどのように計算されるかを説明します。詳細については、Wise and Fair(2006)を参照してください。

製品統計量の統計的詳細

「製品統計量」の表には、製品ごとに、目標値とシグマ値が記載されています。製品の目標値 Tjには、デフォルトでは、各製品jの標本平均が使われます。製品のシグマsjには、デフォルトでは、各製品の標準偏差の推定値が使われます。製品ごとの目標値と製品のシグマ値は、デフォルトでは、以下の式で計算されます。

Equation shown here

Equation shown here

ただし、サブグループが指定されている場合には、デフォルトでは、製品のシグマは以下の式で計算されます。

Equation shown here

サブグループが指定されており、サブグループのサイズが等しくない場合には、デフォルトでは、全体のばらつき統計量は以下の式で計算されます。

Equation shown here

「製品, 部品」に変数が指定されていない場合、全体の平均と標準偏差が以下の式で計算され、表に示されます。

Equation shown here

Equation shown here

ここで

Equation shown here = 製品jの非欠測値から求められた移動範囲を平均したもの

Equation shown here = 非欠測値から求められた移動範囲を平均したもの

d2(n)は、母標準偏差が1であるn個の独立した正規分布に従う確率変数の範囲の期待値

nji = 部品ji番目のサブグループにおける標本サイズ

Rji = 部品ji番目のサブグループにおける範囲

Njは、nij ≥ 2である、部品j のサブグループの個数

Ri = i番目のサブグループにおける範囲

Nは、ni ≥ 2であるサブグループの数

短期操業管理図にプロットされる点の座標の計算には、目標値とシグマ値が使用されます。中心化管理図(centered chart)では、各測定値から製品の目標値が引かれます。標準化管理図(standardized chart)では、各測定値から製品の目標値が引かれ、そして、製品のシグマ値で割られます。

(サブグループがない場合の)偏差管理図および中心化移動範囲管理図の統計的詳細

中心化短期操業管理図のうちの偏差管理図(short run difference chart)の管理限界は、次のように計算されます。

偏差管理図のLCL = Equation shown here

偏差管理図のCL = Equation shown here

偏差管理図のUCL = Equation shown here

中心化短期操業管理図のうちの中心化移動範囲管理図(short run moving range on centered chart)の管理限界は、次のように計算されます。

中心化移動範囲管理図のLCL = 0

中心化移動範囲管理図のCL = Equation shown here

中心化移動範囲管理図のUCL = Equation shown here

中心化短期操業管理図のうちの偏差管理図および中心化移動範囲管理図の標準偏差は、次のように求められます。

Equation shown here

ここで

Equation shown here = 中心化された測定値の平均

K = シグマの乗数(デフォルトで3に設定)

Equation shown here = 非欠測値の移動範囲の平均

d2(n)は、母標準偏差が1であるn個の独立した正規分布に従う確率変数の範囲の期待値

d3(n)は、母標準偏差が1であるn個の独立した正規分布に従う確率変数の範囲の標準偏差

メモ: 管理図ビルダーの移動範囲管理図では、移動範囲の区間(n)が2に設定されます。

(サブグループがない場合の)Z管理図および標準化移動範囲管理図の統計的詳細

標準化短期操業管理図のうちのZ管理図の管理限界は、次のように計算されます。

Z管理図のLCL = Equation shown here

Z管理図のCL = 0

Z管理図のUCL = Equation shown here

標準化短期操業管理図のうちの標準化移動範囲管理図の管理限界は、次のように計算されます。

標準化移動範囲管理図のLCL = Equation shown here

標準化移動範囲管理図のCL = 1

標準化移動範囲管理図のUCL = Equation shown here

ここで

K = シグマの乗数(デフォルトで3に設定)

d2(n)は、母標準偏差が1であるn個の独立した正規分布に従う確率変数の範囲の期待値

d3(n)は、母標準偏差が1であるn個の独立した正規分布に従う確率変数の範囲の標準偏差

メモ: 管理図ビルダーの移動範囲管理図では、移動範囲の区間(n)が2に設定されます。

Z管理図の中心線は0で、標準化移動範囲管理図の中心線は1です。

(サブグループがある場合の)偏差平均管理図および中心化範囲管理図の統計的詳細

中心化短期操業管理図のうち偏差平均管理図(average difference chart)の管理限界は、次のように計算されます。

偏差平均管理図のLCL = Equation shown here

偏差平均管理図のCL = Equation shown here

偏差平均管理図のLCL = Equation shown here

短期操業管理図のうち中心化範囲管理図の管理限界は、次のように計算されます。

中心化範囲管理図のLCL = Equation shown here

中心化範囲管理図のCL = Equation shown here

中心化範囲管理図のUCL = Equation shown here

短期操業管理図のうち偏差管理図および中心化範囲管理図の標準偏差は、次のように求められます。

Equation shown here

ここで

Equation shown here = サブグループごとの偏差の重み付き平均

K = シグマの乗数(デフォルトで3に設定)

ni = i番目のサブグループの標本サイズ

d2(n)は、母標準偏差が1であるn個の独立した正規分布に従う確率変数の範囲の期待値

d3(n)は、母標準偏差が1であるn個の独立した正規分布に従う確率変数の範囲の標準偏差

Equation shown here = 非欠測値の範囲の平均

Riは、i番目のサブグループの範囲

Nは、ni ≥ 2であるサブグループの数

(サブグループがある場合の)Z管理図および標準化範囲管理図の統計的詳細

短期操業管理図のうち平均のZ管理図の管理限界は、次のように計算されます。

Z管理図のLCL = Equation shown here

Z管理図のCL = 0

Z管理図のUCL = Equation shown here

短期操業管理図のうち標準化範囲管理図の管理限界は、次のように計算されます。

標準化範囲管理図のLCL = D3

標準化範囲管理図のCL = 1

標準化範囲管理図のUCL = Equation shown here

ここで

K = シグマの乗数(デフォルトで3に設定)

ni = i番目のサブグループの標本サイズ

d2(n)は、母標準偏差が1であるn個の独立した正規分布に従う確率変数の範囲の期待値

d3(n)は、母標準偏差が1であるn個の独立した正規分布に従う確率変数の範囲の標準偏差

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