公開日: 09/09/2026

離散型確率分布の統計的詳細

ここでは、「一変量の分布」プラットフォームの[離散分布のあてはめ]メニューにあるオプションについて説明します。特に指定をしない場合、パラメータ推定値の信頼区間は最尤法を用いて計算されます。最尤法による信頼区間の詳細については、『予測モデルおよび発展的なモデル』の「Statistical Details for Profile Likelihood Confidence Limits」を参照してください。Y列に「検出限界」列プロパティがある場合に[連続分布のあてはめ]のオプションを使用すると、打ち切りを考慮して確率分布があてはめられます。この時、JMPで用意されている確率分布のいくつかだけしか、打ち切りのあるデータをサポートしていません。打ち切りのあるデータへの分布のあてはめについて詳しくは、Meeker and Escobar(1998)を参照してください。

Poisson

Poisson分布は、尺度パラメータl > 0で定義されます。

確率関数: Equation shown here ただし 0 ≤ λ < ∞; x = 0,1,2,...

E(x) = l

Var(x) = l

Poisson分布は離散分布なので、累積分布関数は整数ごとに変化する階段関数になります。

負の二項

負の二項分布は、平均lとばらつきsの2つのパラメータで定義されます。負の二項分布は、特定の失敗回数に達するまでの成功回数をモデル化するのに便利です。

確率関数: Equation shown here

E(x) = l

Var(x) = l + sl2

ここで、Γ(·)は、ガンマ関数です。

負の二項分布とガンマPoisson分布の関係

負の二項分布はガンマPoisson分布と同等です。ガンマPoisson分布は、平均mが異なる複数のPoisson分布から、データが生成されているときに役立ちます。

ガンマPoisson分布は、x|mが平均mのPoisson分布に従い、その平均がパラメータ(a,t)のガンマ分布に従うという仮定から導出できます。ガンマPoisson分布には、l = atとs = t+1の2つのパラメータがあります。パラメータsは過分散パラメータです。s > 1の場合は、過大分散、つまり通常のPoisson分布よりも分散が大きくなります。s = 1の場合、xの分布は平均lのPoisson分布になります。

確率関数: Equation shown here ただし 0 < l; 1 ≤ s; x = 0,1,2,...

E(x) = l

Var(x) = ls

ここで、Γ(·)は、ガンマ関数です。

ガンマPoisson分布は、snegbin = (sgp - 1) / lgpの負の二項分布と同等です。

「Samples/Scripts」フォルダの中の「demoGammaPoisson.jsl」を実行すると、パラメータlとsのガンマPoisson分布とパラメータlのPoisson分布を比較できます。

ゼロ強調 Poisson

ゼロ強調Poisson分布(ZI Poisson分布; zero-inflated Poissson)は、尺度l > 0とゼロ強調確率pの2つのパラメータで定義されます。

確率関数: Equation shown here

E(x) = (1 - p)l

Var(x) = l(1 - p)(1 + lp)

ゼロ強調 負の二項

ゼロ強調負の二項分布(ZI負の2項分布; zero-inflated negative binomial)は、尺度l > 0、ばらつきs > 0、ゼロ強調確率pの3つのパラメータで定義されます。

確率関数: Equation shown here

E(x) = (1 - p)l

Var(x) = l(1 - p)[1 + l(s + p)]

二項

二項分布は、成功確率pと標本サイズnの2つのパラメータで定義されます。

確率関数: Equation shown here ただし 0 ≤ p ≤ 1; x = 0,1,2,...,n

E(x) = np

Var(x) = np(1-p)

上の式で、nは、独立した試行の回数を示します。

メモ: 二項分布のパラメータに対する信頼区間の計算には、プロファイル尤度法が使用されています。

ベータ二項

ベータ二項分布は、確率pが異なる複数の二項分布からデータが生成されているときに役立ちます。たとえば、複数の製造ラインにおける不適合品の総数などが挙げられます。この場合、不適合品数の平均(p)は、製造ラインによって異なると考えられます。

ベータ二項分布は、x|pが二項分布(n, p)に従い、pがベータ分布(a, b)に従うという仮定から導出できます。ベータ二項分布は、p = a/(a+b)とd = 1/(a+b+1)の2つのパラメータで定義されます。パラメータdは、過分散パラメータです。d > 0の場合は、過大分散、つまり通常の二項分布よりも分散が大きくなります。d < 0の場合は、過小分散です。d = 0の場合、xは二項分布(n, p)に従います。ベータ二項分布は、n ≥ 2の場合にのみ、あてはめることができます。

確率関数: Equation shown here

ただし Equation shown here; Equation shown here; x = 0,1,2,...,n

E(x) = np

Var(x) = np(1-p)[1+(n-1)d]

ここで、Γ(·)は、ガンマ関数です。

前述のとおり、x|πは二項分布(n,π)に従い、πはベータ分布(a,b)に従うと仮定されています。このプラットフォームでは、p = a/(a+b)とd = 1/(a+b+1)のパラメータ推定値が計算されます。aとbの推定値は、次式で計算できます。

Equation shown here

Equation shown here

ただし、dの推定値が0の場合は、上記の式が使用できません。その場合、ベータ二項分布は、確率pの二項分布となり、Equation shown hereがそのpの推定値となります。

なお、ベータ二項分布におけるパラメータの信頼区間は、プロファイル尤度法によって計算されます。

「Samples¥Scripts」フォルダにある「demoBetaBinomial.jsl」を実行すると、nを20に固定しパラメータpを可変として、二項分布と過分散パラメータdのベータ二項分布を比較できます。

ゼロ強調 二項

ゼロ強調二項分布(ZI2項分布; zero-inflated binomial)は、成功確率p、標本サイズn、ゼロ強調確率pの3つのパラメータで定義されます。

確率関数: Equation shown here

E(x) = (1-p)np

Var(x) =(1-p)[np(1-p) + n2p2] - [(1-p)np]2

上の式で、nは、独立した試行の回数を示します。

ゼロ強調 ベータ二項

ゼロ強調ベータ二項分布(ZIベータ二項分布; zero-inflated beta binomial)は、p = a/(a+b)、d = 1/(a+b+1)、標本サイズn、ゼロ強調確率pの4つのパラメータで定義されます。ゼロ強調ベータ二項分布は、n ≥ 2の場合のみ存在します。

確率関数: Equation shown here

E(x) = (1-p)np

Var(x) = (1-p)np[(1-p)(1 + (n-1)d) + np] - [(1-p)np]2

上の式で、nは、独立した試行の回数を示します。

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