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Derivative()関数は、第2引数に指定した変数で、第1引数に指定された式を微分した結果を戻します。この第2引数には1つの変数を指定することも、リストにして複数の変数を指定する(つまり、中括弧{ }で複数の変数名を囲む)こともできます。
メモ: Derivative()関数と同様の機能は、計算式エディタではコマンドとして用意されています。このコマンドは、計算式エディタの上部中央のドロップダウンリストにあります(キーパッドの上)。このコマンドを使用するには、式の中の1つの変数を強調表示(どの変数についての導関数を求めるかを指定)してから、メニューから[微分した式]コマンドを選びます。計算式全体が、強調表示された変数で微分した導関数に置き換わります。
の場合、第1次導関数はf'(x)またはです。
result = Derivative( x ^ 3, x );
Show( result );
ある1つの式から複数の変数に対する導関数を効率的に求めたい場合は、リストに複数の変数を指定してください。一時変数に分割された元の式と、その導関数の式を含むリストが結果として戻されます。必要に応じて、導関数で用いる部分式が、一時変数に割り当てられます。
result2 = Derivative( 3 * y * x ^ 2 + z ^ 3, {x, y, z} );
Show( result2 );
second = Derivative( 3 * y * x ^ 2, {x}, {x} );
Show( second );
second = Derivative( 3 * y * x ^ 2, {y}, {y} );
Show( second );
second = Derivative( 3 * y * x ^ 2, {y}, {x} );
Show( second );
Num Deriv()は、数値微分を行うための関数です。第1引数と、それに小さい値(Δ)を足した値に対する関数値を計算し、その差をΔで割ることにより、1次微分の値を求めます。Num Deriv2()は、同様の方法で2次微分の値を数値的に求めます。これらの関数は、非線形モデルで内部的に使用されますが、JSLで直接利用することは少ないでしょう。これらの関数は変数では微分せず、関数に対する引数についてのみ微分することに注意してください。xについて微分するためには、xを、式の内部に埋め込まれている記号ではなく、関数の中の引数の1つにする必要があります。
x = 3で、y = 3*x^2を微分するとします。このとき次のスクリプトを実行すると、間違いになります。
x = 3;
n = Num Deriv( 3 * x ^ 2 );
xを関数の中の引数にするのが、正しい方法です。
x = 3;
f = Function( {x}, 3 * x ^ 2 );
n = Num Deriv( f( x ), 1 );
x = 3;
y = Num Deriv( x ^ 2 ); // または、y = Num Deriv( 3 ^ 2 );
x = Num Deriv( Sqrt( 7 ) ); // 0.188982168980445を戻す
y = Num Deriv( Normal Distribution( 1 ) ); // 0.241969514669371を戻す
z = Num Deriv2( Normal Distribution( 1 ) ); // -0.241969777547979を戻す
Derivative(expr, {name, ...})
nameに対するexprの導関数を戻す。第2引数は、中括弧{ }でリストにして指定するか、1つだけの場合は単純に変数として指定できます。2つの導関数をとるときは、2つの名前リストを指定します。
式(expr)の最初の引数で、1次微分した結果(1階導関数の値)を数値的に求める。
式(expr)の最初の引数で、2次微分した結果(2階導関数の値)を数値的に求める。