このバージョンのヘルプはこれ以降更新されません。最新のヘルプは https://www.jmp.com/support/help/ja/15.2   からご覧いただけます。


この例では、まず「Tablet Measurements.jmp」にある、非正規分布に従う3つの変数に対し、工程能力分析を行います。その後、シミュレーション機能を使用して「純度」の不適合率に対する信頼限界を求めます。
以下の手順を自分で実行しなくても、「Tablet Measurements.jmp」に保存されている「工程能力」テーブルスクリプトを実行すれば、同じ結果が得られます。
1.
[ヘルプ]>[サンプルデータライブラリ]を選択し、「Tablet Measurements.jmp」を開きます。
3.
「重さ」「厚さ」「純度」を選択し、[Y, 工程変数]をクリックします。
4.
右側の「選択した列に役割を割り当てる」リストで「重さ」「厚さ」「純度」を選択します。
5.
「分布のオプション」アウトラインを開きます。
6.
「分布」リストから[最良]を選択します。
7.
[工程分布の設定]をクリックします。
右側のリストにある列名に、「&分布(最良)」という接尾辞が追加されます。
8.
[OK]をクリックします。
「工程能力指数プロット」が作成され、Ppkの値が表示されます。「厚さ」の変数だけが、Ppk = 1の線より上に位置しています。「純度」はほぼ線上にあります。測定値の個数は250で少なくないように思うかもしれせんが、Ppkの推定値はばらつきが大きくなっています。「純度」Ppk値に対する信頼区間を計算して、そのことを確認してみましょう。
9.
「工程能力分析」の赤い三角ボタンのメニューから、[各列に対する詳細レポート]を選択します。
「重さ」: 対数正規
「厚さ」: Johnson Sb(「工程能力 厚さ(Johnson)」というレポートタイトルの下のメモを参照)
「純度」: Weibull
図11.27 「純度」のWeibullパラメータ推定値
2.
「Tablet Measurements.jmp」サンプルデータテーブルで、[列]>[列の新規作成]を選択します。
3.
「列名」として「Simulated Purity」を入力します。
4.
「列プロパティ」リストから[計算式]を選択します。
5.
計算式エディタで、[乱数]>[Random Weibull]を選択します。
6.
「beta」のプレースホルダーが選択されています。画面上部のアイコン一覧より、挿入アイコン(^)をクリックします。
図11.28  
これで、alphaパラメータのプレースホルダーが追加されます。
7.
「パラメータ推定値」レポートの任意の箇所で右クリックし、[データテーブルに出力]を選択します。
8.
作成されたデータテーブルの行2の「推定値」列の値をコピーします(1589.7167836)。
9.
計算式エディタウィンドウで、Random Weibull計算式の「beta」のプレースホルダーを選択し、「1589.7167836」の値を貼り付けます。
10.
「パラメータ推定値」レポートから作成したデータテーブルで、行1の「推定値」列の値をコピーします(99.918708989)。
11.
計算式エディタウィンドウで、Random Weibull計算式の「alpha」のプレースホルダーを選択し、「99.918708989」の値を貼り付けます。
図11.29 入力後の計算式ウィンドウ
12.
計算式エディタウィンドウで[OK]をクリックします。
13.
「列の新規作成」ウィンドウで[OK]をクリックします。
「Simulated Purity」列には、最良の分布から値をシミュレーションする計算式が含まれています。
3.
起動ウィンドウの「選択した列に役割を割り当てる」リストで、「重さ&分布(対数正規)」「厚さ&分布(Johnson)」を選択します。
4.
[削除]をクリックします。
5.
[OK]をクリックします。
6.
「工程能力分析」の赤い三角ボタンのメニューから、[各列に対する詳細レポート]を選択します。
PpkとPplの両方の値が計算されていますが、値は同じです。なぜなら、「純度」には下側仕様限界しかないためです。
7.
「全体シグマ 工程能力」レポートで、「推定値」列を右クリックし、[シミュレーション]を選択します。
「切り替え元の列」リストで「純度」が選択されていることを確認します。「切り替え先の列」リストで「Simulated Purity」が選択されていることを確認します。
8.
「標本数」のボックスに「500」を入力します。
9.
(オプション)「乱数シード値」のボックスに「12345」を入力します。
10.
[OK]をクリックします。
計算には、多少時間がかかります。「工程能力 シミュレーション結果(推定値)」というデータテーブルが開きます。このデータテーブルにある「Ppk」「Ppl」の各列には、「Simulated Purity」の計算式に基づいて計算した500の値が含まれます。最初の行は、「純度」のデータに対して得られた元の値を含んでいます。この行の属性には除外が与えられています。「純度」は下側仕様限界しか持たないので、「Ppk」「Ppl」の値は同じになります。
11.
「工程能力 シミュレーション結果(推定値)」データテーブルで、「一変量の分布」スクリプトの緑色の三角ボタンをクリックします。
図11.30 シミュレーションで求めた「純度」のPpk値の分布
PpkとPplの2つの「一変量の分布」レポートが表示されます。ただし、「純度」は下側仕様限界しか持たないため、PpkとPplの値は同じです。そのため、「一変量の分布」レポートも内容は同じです。
12.
「工程能力分析」レポートの「不適合率」レポートで、「全体σ %」列を右クリックし、[シミュレーション]を選択します。
「切り替え元の列」リストで「純度」が選択されていることを確認します。「切り替え先の列」リストで「Simulated Purity」が選択されていることを確認します。
13.
「標本数」のボックスに「500」を入力します。
14.
(オプション)「乱数シード値」のボックスに「12345」を入力します。
15.
[OK]をクリックします。
計算には、多少時間がかかります。「工程能力 シミュレーション結果(全体σ %)」というデータテーブルが開きます。「純度」には下側仕様限界しかないため、「LSL未満」の値は「限界外 合計」と一致します。
16.
「工程能力 シミュレーション結果(全体σ %)」データテーブルで、「一変量の分布」スクリプトの緑色の三角ボタンをクリックします。
図11.31 「純度」の「限界外 合計」をシミュレーションした値の分布