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公開日: 04/01/2021

共分散分析(傾きが異なる場合)

ここでも、Xが共変量となっているときの、Aの効果を調べてみます。ただし、ここでは、Aの水準によってXの傾きが異なるモデルを想定します。

入力する効果: A、X、A*X

1. 「列の選択」リストで、1つの名義尺度または順序尺度の効果A、および1つの連続尺度の効果Xを選択します。

2. [マクロ]>[完全実施要因]を選択します。

もしくは、次のように指定します。

1. 「列の選択」リストで、1つの名義尺度または順序尺度の効果A、および1つの連続尺度の効果Xを選択します。

2. [追加]をクリックします。

3. 「列の選択」リストで、AとXを選択し、[交差]をクリックします。

傾きが異なる共分散分析の例

3つの「ポリマー」によって、「石炭の粒子」の除去に違いがあるかを調べます。ただし、浄化槽の「pH」によって、ポリマーの除去効果は違ってくるので、「pH」を共変量としてモデルに含めます。また、3つの「ポリマー」において、「pH」「石炭の粒子」の回帰直線の傾きは異なると仮定します。

1. [ヘルプ]>[サンプルデータライブラリ]を選択し、「Cleansing.jmp」を開きます。

2. [分析]>[モデルのあてはめ]を選択します。

3. 「列の選択」リストで「石炭の粒子」を選択し、[Y]をクリックします。

4. 「列の選択」リストで、「pH」「ポリマー」を選択します。

5. [マクロ]>[完全実施要因]を選択します。

図2.15 傾きが異なる共分散分析の指定 

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[実行]をクリックすると、「最小2乗法によるあてはめ」レポートが表示されます。「効果の検定」レポートを見れば、「pH」「ポリマー」の交互作用は有意で、モデルに含めるべきであることがわかります。

レポートに表示される回帰プロットを図2.16に示します。この回帰プロットには、回帰直線とデータ点が表示されています。「pH」「ポリマー」の交互作用を含めているので、直線の傾きは「ポリマー」によって異なります。ただし、この交互作用に関わらず、分析に用いたpHの範囲内において、ポリマーAの除去力が最も強いことが、回帰プロットを見るとわかります。図2.16のように点に色を付けるには、[行]>[列の値による色/マーカー分け]を選択し、「列の値によるマーカー分け」のリストから「ポリマー」を選択して[OK]をクリックします。

図2.16 傾きが異なる共分散分析 

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