公開日: 04/01/2021

配合物の配合計画

この例では、配合物の配合計画を作成します。

ケーキに使う材料について調べてみましょう。ケーキに使う粉類は、小麦粉・砂糖・ココアです。また、液体は、牛乳・溶かしバター・卵です。液体と粉類は、最初は別々に混ぜ合わせ、後で一緒にするため、2つの配合物と考えることができます。表5.1に、実験に用いる因子と、それらの因子の範囲を示します。

表5.1 粉類と液体の材料と実験の範囲

配合

材料

下限と上限

粉類

ココア

0.1 - 0.2

砂糖

0 - 0.15

小麦粉

0.2 - 0.3

液体

バター

0.1 - 0.2

牛乳

0.25 - 0.35

0.05 - 0.20

粉類(ココア・砂糖・小麦粉の混合物)が全体の45%、液体(バター・牛乳・卵の混合物)が55%を占めることがわかっています。

注: 粉類および液体の制約があるため、配合モデルに6つの因子すべてを含めると、モデルに特異性が生じます。

この実験の目的は、「味」の評価を最大にすることです。「味」は、10を最もおいしいとして、1~10の10段階で評価されます。

主効果モデルをあてはめるために、実験回数10回の計画を作成します。粉類全体と液体全体の割合が固定されているので、特異性を回避するために、「モデル」アウトラインで5つの因子のみを含めます。どの因子を含めるかは自由です。

この例は、次の手順で進めます。

計画の作成

実験結果の分析

計画の作成

1. [実験計画(DOE)]>[カスタム計画]を選択します。

2. 「応答名」の欄の「Y」をダブルクリックして、「味」と入力します。

「目標」はデフォルト値の[最大化]となっています。ここでは、「味」の評価を最大化したいので、このままにします。

3. 「下側限界」の欄をクリックして「0」とタイプします。

最も望ましくない評価は0です。

4. 「上側限界」の欄をクリックして「10」と入力します。

最も望ましい評価は10です。

5. 「重要度」の欄は空白にしておきます。

応答が1つだけなので、デフォルトで、その応答に重要度1が割り当てられます。

6. [ヘルプ]>[サンプルデータライブラリ]を選択し、「Design Experiment」フォルダ内の「Cake Factors.jmp」を開きます。

7. 「カスタム計画」の赤い三角ボタンをクリックし、[因子のロード]を選択します。

図5.58 設定後の「応答」および「因子」アウトライン 

Image shown here

因子がすべて配合因子であることに注目してください。実験の設定範囲を定義する値は、因子によって異なります。

8. 「因子の制約を定義」アウトラインで、[線形制約を指定]を選択します。

9. 「線形制約」パネルで、[追加]を2回クリックします。

10. 図5.59のとおりに制約を入力します。

図5.59 因子の制約を定義 

Image shown here

ここで、2つ目の制約は、「ココア」「砂糖」「小麦粉」の因子の合計が0.45以上であると指定しているのと同義です。このように2つの制約を指定すると、「ココア」「砂糖」「小麦粉」の因子が全体のちょうど45%を構成し、液体の因子が残りの55%を構成するようになります。

11. 「モデル」アウトラインで、「卵」を選択し、[項目の削除]をクリックします。

先ほど指定した等号制約があるため、6つの効果を含むモデルの計画行列は特異になってしまいます。

12. [ユーザ定義]の横のボックスに「10」と入力します。

今回の実験では、10個のケーキを焼きます。

注: 乱数シード値(ステップ13)と開始点の数(ステップ14)を設定すると、以下の数値例と同じ結果が得られます。同じ実験設定でなくても良い場合は、これらの手順は不要です。

13. (オプション)「カスタム計画」の赤い三角ボタンをクリックし、[乱数シード値の設定]を選択します。次に、「12345」と入力して[OK]をクリックします。

14. (オプション)「カスタム計画」の赤い三角ボタンのメニューから[開始点の数]を選択し、「40」と入力して[OK]をクリックします。

15. [計画の作成]をクリックします。

因子に対するいくつかの制約は等号制約と等価で、モデル効果を慎重に選ばなければ、計画が特異になる可能性があるという警告が表示されます。粉類全体の割合は意図的に45%に制約しているので、今回はこの警告を気にしなくて構いません。

16. [OK]をクリックして、警告を閉じます。

17. [テーブルの作成]をクリックします。

図5.60 配合物の配合計画 

Image shown here

粉類(「ココア」「砂糖」「小麦粉」)の割合を合計すると45%になり、液体(「バター」「牛乳」「卵」)の割合を合計すると55%になります。また、これらの割合は、「因子」アウトラインで指定された上側限界と下側限界の範囲内にあります。

実験結果の分析

「Cake Data.jmp」サンプルデータに、この実験の結果が含まれています。計画のデータテーブルには、「モデル」スクリプトが含まれています。このスクリプトを実行すると、「モデルのあてはめ」ウィンドウが開き、「実験計画(DOE)」の「モデル」アウトラインで指定した5つの主効果が表示されます。計画の「モデル」アウトラインには、「卵」の主効果が含まれていない点に注目してください。卵の水準は、他の5つの因子の設定と、粉類の制約に基づいて決まります。このスクリプトは、データテーブルの作成時に保存されたものです。

1. 「Design Experiment」フォルダにある「Cake Data.jmp」サンプルデータを開きます。

2. 計画のデータテーブルにおけるテーブルパネルで、「モデル」スクリプトの横にある緑の三角ボタンをクリックします。

「卵」の主効果は含まれていません。モデルの特異性を回避するため、「カスタム計画」ウィンドウの「モデル」アウトラインで「卵」は除外されています。5つの効果は、「応答曲面」と「配合」の効果として指定されています。

3. [実行]をクリックします。

与えられた制約に対する実現可能な解がないため、プロファイルは表示されないという警告が表示されます。

4. [OK]をクリックして、警告を閉じます。

「パラメータ推定値」レポートから、「砂糖」「小麦粉」が0.05の水準において有意であることがわかります。

図5.61 「パラメータ推定値」レポート 

Image shown here

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