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公開日: 04/01/2021

多変量管理図の概要

多変量管理図は、相関がある2つ以上の工程変数を監視するときに使用します。一変量の管理図は、1変数ずつしか監視できませんが、多変量管理図では相関のある複数の変数を監視します。HotellingのT2管理図(単にT2管理図とも言う)は、多変量管理図の1つです。T2管理図では、工程平均におけるシフトを検出したり、複数の変数間の関係を調べたりできます。1つずつの観測(オブザベーション)にも、合理的なサブグループで要約した平均にも使用できます。

多変量管理図の管理限界は、現在のデータに対しても、履歴データに対しても、求めることができます。履歴データに対する管理図を「フェーズI」の管理図、現在のデータに対する管理図を「フェーズII」の管理図といいます。フェーズIでは、工程が安定していることを確認し、工程の目標統計量を計算します。フェーズIIの多変量管理図は、フェーズIのデータから計算された目標統計量に基づいて工程の新しいデータを監視します。

フェーズIIの多変量管理図を作成するには、まず、工程が安定している期間を見極めます。

1. フェーズI管理図を作成し、得られたデータにおいて工程が安定しているかどうかを確認します。

このフェーズIで使用したデータが、履歴データになります。

2. この履歴データの目標統計量を保存します。

3. ステップ2で保存した目標統計量をもとに、フェーズII管理図によって実際の工程を監視します。

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