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公開日: 04/01/2021

計画を実行し、結果を分析する

この節では、最終計画から得た結果を分析します。価格などの商品属性を変更すると、消費者にとってのノートパソコンの望ましさはどのように変化するでしょうか。製品に対する望ましさを、製品の効用値(utility value)といいます。

有意な属性を特定する

1. [ヘルプ]>[サンプルデータライブラリ]を選択し、「Design Experiment」フォルダの「Laptop Results.jmp」を開きます。

2. 「選択モデル」スクリプトを実行します。

図18.10 「選択モデル」起動ウィンドウ 

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複数の回答者を対象とした数種類の調査なので、「回答者」「調査」「選択肢集合」という3つのグループ変数があります。

3. [モデルの実行]をクリックします。

図18.11 ノートパソコンに関する最終計画の分析 

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「効果の要約」と「尤度比検定」を見ると、「ディスク容量」「速度」「価格」が有意水準0.05で有意となっています。「バッテリー駆動時間」は、やや有意ではありません。

効用の分析

次に、プロファイルを使って効用値を確認し、製品の属性を変更したときの効用値の変化を見てみましょう。

1. 「選択モデル」の赤い三角ボタンをクリックし、[効用プロファイル]を選択します。

図18.12 価格 = $1000における効用プロファイル 

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各属性の値を最も低いものに設定したとき、「効用」は–0.3406になります。ここで、効用1単位あたりの価格を求めることにします。

2. 「価格」のスライダを「$1,500」に動かします。

図18.13 価格 = $1500における効用プロファイル 

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「価格」を$1,000から$1,500に変化させると、「効用」は–0.3406から–2.3303に変化します。つまり、ノートパソコンの価格を500ドル引き上げることで、効用(望ましさ)はおよそ2単位低くなります。したがって、効用1単位あたりの価格は、およそ250ドルであると推定できます。

効用1単位あたりの価格が算出できたところで、今度は、各属性がどれだけの金額に値するかを調べてみます。たとえば、最も有意な属性である「速度」を取り上げます(図18.11)。

3. 効用プロファイルで、「価格」を1000ドルに戻してから、「速度」を2.0 GHzまで上げます。

図18.14 速度を上げた後の効用値 

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図18.12を見ると、「効用」の値がの-0.3406から0.9886へ、つまり1.3292単位変化することがわかります。効用1単位あたりの価格は250ドルでしたから、ノートパソコンのCPU速度を1.5GHzから2.0GHzに変えれば、価格を332.30ドル(= 250ドル × 1.3292)だけ高くすることができると推定できます。このような選択モデル分析は、さまざまな機種のノートパソコンに価格をつける際に役立ちます。CPU以外の属性についても、同じような計算が可能です。

より詳細な情報が必要な場合や、質問があるときは、JMPユーザーコミュニティで答えを見つけましょう (community.jmp.com).