公開日: 04/01/2021

特異性の詳細

線形回帰モデルのモデル式は、Y = Xβ + εです。通常、Xの第1列は切片を表し、要素がすべて1のベクトルになっています。第2列以降は、モデルの各効果を表します。モデルが切片を含めp個の項から成る場合、Xn × pの行列になります(nは標本サイズです)。パラメータ推定値のベクトルbは、通常、次式によって求められます。

Equation shown here

しかし、この式では、XX1 が存在しなければいけません。言い換えれば、p × pの行列XXは、逆行列が存在するためにフルランクでなければいけません。Xの列の間に一次従属性があると、XXがランク落ちし、上式ではパラメータ推定値を求められません。現実では、一次従属が生じるような状況はよくあります。

一次従属がある場合、XX行列は特異であり、「最小2乗法によるあてはめ」レポートに「特異性の詳細」レポートが出力されます。「特異性の詳細」レポートでは、一次従属性の関係式が表示されます。このレポートで報告される項は、その関係式で表されている項と交絡しています。

図3.65は、「Reactor 8 Runs.jmp」サンプルデータのレポートです。これらのレポートを作成するには、「反応率(%)」をYに指定します。また、「送り速度」「触媒」「攪拌速度」「温度」「濃度」「触媒*攪拌速度」「触媒*濃度」「送り速度*触媒」をモデル効果に指定します。

図3.65 一次従属性がある時の「特異性の詳細」と「パラメータ推定値」レポート 

Image shown here

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