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公開日: 09/19/2023

一元配置分散分析の例

「モデルのあてはめ」プラットフォームの[標準最小2乗]手法を使って、応答変数に連続尺度の列を、効果に名義尺度の列を指定し、一元配置分散分析を行います。一元配置分散分析モデルは、グループごとにそれぞれ異なる平均をもつモデルです。

1. [ヘルプ]>[サンプルデータフォルダ]を選択し、「Drug.jmp」を開きます。

2. [分析]>[モデルのあてはめ]を選択します。

3. 「y」を選択し、[Y]をクリックします。

4. 「薬剤」を選択し、[追加]をクリックします。

5. [実行]をクリックします。

この例の「薬剤」は名義尺度の列であり、「a」「d」「f」という3つの値があります。「モデルのあてはめ」の「標準最小2乗」は、この「薬剤」の列を1、0、−1という数値をもつダミー変数に変換して、線形モデルをあてはめます。この例における線形モデルのモデル式は、次のようになります。

ここに式を表示

ここで

yiは、第i行における、応答の観測値。

x1iは、第i行における、1番目のダミー変数の値。

x2iは、第i行における、2番目のダミー変数の値。

b0b1b2はそれぞれ、切片パラメータ、1番目のダミー変数に対する係数パラメータ、2番目のダミー変数に対する係数パラメータ。

eiは独立した正規分布に従う誤差項。

1番目のダミー変数x1は、「薬剤」 = aの場合は1とし、「薬剤」 = dの場合は0とし、「薬剤」 = fの場合は−1とします。

ここに式を表示

2番目のダミー変数x2は、次のような値を取ります。

ここに式を表示

このパラメータ化においては、3群の平均は、それぞれ次のように表されます。

ここに式を表示

ここに式を表示

ここに式を表示

これらの式を、biについて解くと、次のようになります。

ここに式を表示 (全水準にわたる平均)

ここに式を表示

ここに式を表示

つまり、このモデルにおける2つのダミー変数は、各水準の指示変数から、最後の水準の指示変数を引いたものです。指示変数とは、その水準に属しているときに1、属していないときに0を取る変数のことです。そして、これらのダミー変数に対するパラメータは、該当する水準の平均から、全水準の平均を引いた差を表します。このようなパラメータの解釈については、付録統計的詳細を参照してください。

Figure 4.1は、「薬剤」に対する「てこ比プロット」と「最小2乗平均表」です。Figure 4.2は、「薬剤」データの一元配置分析の「パラメータ推定値」レポートと「効果の検定」レポートです。

図4.1 「てこ比プロット」と「最小2乗平均表」 

「てこ比プロット」と「最小2乗平均表」

図4.2 「Drug.jmp」の「パラメータ推定値」と「効果の検定」 

「Drug.jmp」の「パラメータ推定値」と「効果の検定」

[最小2乗平均の対比]を使って、「薬剤」効果をさらに詳しく分析しましょう。

1. 「薬剤」の赤い三角ボタンをクリックして、[最小2乗平均の対比]を選択します。

2. 「a」「d」の平均を「f」と比較する対比を作成するため、「a」「d」のプラス記号、および、「f」のマイナス記号をクリックしてください(Figure 4.3)。

3. [完了]をクリックします。

図4.3 薬剤実験の対比の例 

薬剤実験の対比の例

「対比」レポートを見ると、薬剤「f」の平均は、それ以外の2つの薬剤の平均をさらに平均した値と有意に異なります。

より詳細な情報が必要な場合や、質問があるときは、JMPユーザーコミュニティで答えを見つけましょう (community.jmp.com).