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公開日: 04/21/2025

定ストレス加速寿命試験計画の例

「定ストレス加速寿命試験計画」プラットフォームを使って1因子の定ストレス加速寿命試験計画を作成します。

1. [実験計画(DOE)]>[特殊な目的]>[定ストレス加速寿命試験計画]を選択します。

デフォルトで1因子の計画が表示されます。

2. 「因子名」の下の「X1」をクリックし、「温度」と入力します。

「水準数」はデフォルトで「3」、「因子の変換」オプションは「Arrhenius 摂氏」に設定されています。

3. 「最低使用条件」「最高使用条件」の両方に「10」と入力します。

最低使用条件と最高使用条件の両方を「10」と設定した場合、「10」が通常の使用条件となります。

4. 「最低試験条件」に「40」、「最高試験条件」に「80」と入力します。

5. [試験の作成]をクリックします。

試験の設定

次に、試験の設定と初期値を設定します。事前の知識に基づいて応答変数の分布と加速モデルの設定を指定します。JMPがこれらの値を使ってモデルを仮定します。

1. 「分布の選択」セクションで、「応答変数の分布」を「Weibull」に設定します。

2. 「その他の設定」セクションで次のように選択します。

「最適化基準」オプションは「分位点」をそのまま使います。

「興味がある確率」オプションは「0.1」をそのまま使います。これにより、ユニットの10%が故障するまでの時間が推定されます。

「試験でのユニット数」に「200」と入力します。

「試験期間」に「720」(30日)と入力します。

以前の実験の結果から考えると、最高試験条件下では、720時間以内に90%のユニットが故障すると見込まれます。

3. 「加速モデルの設定」セクションで、温度が80℃の最高試験条件の「確率」を「0.9」に設定します。

4. 「Weibull ベータ」オプションは「1」をそのまま使います。

5. [試験案の作成]をクリックします。

「最適計画」・「妥協的な計画」・「釣合い型計画」の3つの試験計画が表示されます。「最適計画」では、低温に152ユニット、高温に48ユニットが割り振られています。「妥協的な計画」と「釣合い型計画」では、ユニットが3つの温度設定に割り振られています。

メモ: 「妥協的な計画」では、いくつかのユニットに対して58.80℃と端数になっている温度設定になっています。実際には試験炉で設定できる温度に近いものを選ぶことになります。

図22.2 試験案と診断統計量 

Test Plans and Diagnostics

診断統計量を使って試験案を比較します。この加速寿命モデルでは、3つの試験案における指標が似通っています。3種類の温度設定にユニット数を均等に割り振って実験を行うことが可能であるなら、釣合い型計画を選んでください。そうでなければ、実験環境に応じて妥協的な計画か最適計画を選びます。

診断プロットでは、仮定の変化に対する試験案の感度を調べ、3つの試験案を比較することができます。分布プロファイルでは、各試験案での故障確率に対する信頼区間を、温度と時間の関数として見ることができます。各試験案の故障確率に対する信頼区間が、時間と温度の全範囲においてどのように変化するかを確認できます。分布プロファイルからは、「診断」での結果と同様、試験案の間に信頼区間の幅には大きな差がないことがわかります。推定値を挟んで表示されている範囲の幅を見ると、試験計画に関して予測される不確実性の大きさがわかります。

「R精度係数」のプロファイルでは、さまざまな標本サイズ・加速因子・分位点に対する推定精度を知ることができます。このプロファイルからは、特定の標本サイズで加速寿命試験を行った場合の推定精度がわかります。試験ユニットの数を200から400に増やせるなら、推定精度が良くなります(R精度係数が小さくなります)。R精度が1未満になるのが理想です。

定ストレス加速寿命試験計画を保存するには、[ファイル]>[名前を付けて保存]を選択し、*.jmpdoeファイルとして保存します。

より詳細な情報が必要な場合や、質問があるときは、JMPユーザーコミュニティで答えを見つけましょう (community.jmp.com).