公開日: 04/21/2025

多母集団分析の例

「構造方程式モデル」プラットフォームでは、起動ダイアログでグループ変数を指定することで、多母集団分析を行えます。多母集団分析では、複数のグループにおけるモデルを比較できます。この例では、2つのグループの子どもについて、成績の変化を比較します。ある多肢選択式テストを、生徒に対して4時点で実施したとします。

1. [ヘルプ]>[サンプルデータフォルダ]を選択し、「Academic Achievement.jmp」を開きます。

2. [分析]>[多変量]>[構造方程式モデル]を選択します。

3. 「複数選択 1年目」から「複数選択 4年目」まで選択し、[モデルの変数]をクリックします。

4. 「性別」を選択し、[グループ]をクリックします。

5. [OK]をクリックします。

「構造方程式モデル」レポートが開き、「モデルの指定」アウトラインが表示されます。

6. [モデルのショートカット]>[経時的データ分析]>[1次の潜在成長曲線]を選択します。

「モデルの指定」の図に、1次の潜在成長曲線モデルが表示されます。

7. 「モデル名」の下のテキストボックスに、「Grouped Linear LGC Model (Equality Constraint)」(「多母集団1次潜在成長モデル(等号制約付き)」)と入力します。

8. パス図において、三角形(定数)から「切片」までと、三角形(定数)から「傾き」までの2つの矢印を選択して、[等号制約の設定]をクリックします。

この等号制約により、「切片」と「傾き」の潜在変数の平均が、2つのグループで等しくなります。

9. [等号制約の設定]ウィンドウで、[OK]をクリックし、等号制約を適用します。

10. [実行]をクリックします。

11. レポートウィンドウの「モデルの指定」セクションまでスクロールします。

12. 「モデル名」の下のテキストボックスに、「Grouped Linear LGC Model」(「多母集団1次潜在成長モデル」)と入力します。

13. パス図でa1とa2と書かれた矢印を選択し、[制約の解除]をクリックします。

14. [実行]をクリックします。

15. 「モデルの指定」の横にあるグレーの開閉アイコンをクリックします。

16. 「モデルの比較」表で、上記の手順であてはめた2つのモデルを選択し、[選択したモデルの比較]をクリックします。

図8.15 「モデルの比較」レポート 

Model Comparison Report

カイ2乗検定は、等号制約により、モデルの適合度が統計的に有意に悪くなっていることを示しています。したがって、等号制約は適切ではないことを示唆しています。また、BICuはいずれも負であり、あてはめた2つのモデルが両方とも飽和モデルよりは望ましいことを示唆しています。ここでは、等号制約を課していない多母集団1次成長モデルに基づいて、分析を続けることにします。なぜなら、このモデルがカイ2乗検定によって支持されており、また、BICuがより小さいためです。

17. 「Grouped Linear LGC Model (Equality Constraint)」の横のImage shown hereボタンを選択します。

これで、等号制約を持つモデルに関するレポートが非表示になります。

18. Altキーを押しながら「構造方程式モデル: Grouped Linear LGC Model」の赤い三角ボタンをクリックします。

ヒント: Altキーを押すと、複数の赤い三角ボタンのメニューを同時に選択できます。

19. [パス図の表示][あてはめの要約][パラメータ推定値]オプションの選択を解除します。

20. [予測値プロット]オプションを選択します。

21. [OK]をクリックします。

メモ: なお、「構造方程式モデル: Grouped Linear LGC Model」の赤い三角ボタンでのメニューの選択は、[男性]タブと[女性]タブの両方のレポートに適用されます。

22. [男性]タブか[女性]タブを右クリックし、[スタイルの設定]>[横に展開]を選択します。

23. 「データ点を折れ線でつなぐ」ボックスを選択します。

図8.16 予測値プロット 

Predicted Values Plots

4年間におけるスコアに関して、男性の予測値は、女性の予測値よりも傾きが平坦で、ばらつきが小さくなっています。

より詳細な情報が必要な場合や、質問があるときは、JMPユーザーコミュニティで答えを見つけましょう (community.jmp.com).