「計画の診断統計量」レポートにある診断統計量は、乱数シミュレーションに基づいています。各因子の平均2乗を乱数によって生成し、そこから診断統計量を求めています。そのため、実行する度に、診断統計量の結果は少し異なってきます。因子ごとに、シミュレーションに使用する確率分布とその確率分布のパラメータ値を指定できます。設定に変更を加えるたびに、計画の診断統計量が更新されます。そのため、作成した計画が、想定の異なるモデルにおいて、測定システムをどれだけ効果的に評価できるかを調べることができます。計画の水準数を変更して別の計画を試すこともできます。
「分散成分推定量の振る舞い」レポートでは、モデルの因子ごとに、シミュレーションに使用する確率分布とその確率分布のパラメータ値を指定することができます。指定した確率分布を使って多数のシミュレーションが行われ、指定した計画とシミュレーションの仮定に基づいて、調査で収集される測定値が生成されます。レポートの冒頭にあるボタンを使って異なるモデルを調べることができます。興味のある推定値として、分散成分か分散の割合かのいずれかを選択できます。
「分散成分推定量の振る舞い」レポートには、モデルのボタンとシミュレーション設定のオプションがあります。
モデルボタンを使って、シミュレーションモデルを変更します。
全効果のモデル
シミュレーションモデルを全効果のモデルに設定します。
主効果だけのモデル
シミュレーションモデルを主効果だけのモデルに設定します。
交互作用があるモデル 次数=
シミュレーションモデルを指定の最大次数の交互作用を含むモデルに設定します。
興味のある推定値として、[分散成分]か[分散割合]かのいずれかを選択できます。
シミュレーション 分布
各モデル項のシミュレーションに使用する確率分布。[固定]・[一様分布 乱数]・[ガンマ分布 乱数]の中から選びます。
分布パラメータ
指定した分布のパラメータ。
分散成分
モデル項の名前。
推定値プロット
推定値とシミュレートした残差の範囲をプロットしたもの。区間が緑色で表示されている場合は、その項がモデルに含まれていることを示します。区間が赤で表示されている場合、その項はモデルに含まれていません。
ヒント: 区間をクリックすることで、その項をモデルから除外したり、モデルに含めたりできます。モデルボタンを使ってモデルを変更することもできます。
相対バイアス
すべてのシミュレーションで得られた標準化残差の平均。どのシミュレーションにも真の分散成分と分散成分の推定値があります。各シミュレーションのバイアスとは、残差(推定値と真の値の差)を指します。残差を実際の値で割ったものが標準化残差です。
平均絶対相対誤差
すべてのシミュレーションで得られた「標準化残差の絶対値」の平均。この値は、1より小さい値が理想です。この値が1より小さいときは、誤差の大きさが予想される真値より小さいことを意味します。
「分散成分推定量の振る舞い」の赤い三角ボタンのメニューには、以下のオプションが表示されます。
データテーブルを作成
シミュレーションをまとめたデータテーブルが開きます。このデータテーブルには、各回でシミュレートされた真の値と推定値が含まれます。
シミュレーションに基づくゲージR&Rのレポート。このレポートを使って、特定の計画における精度と標本抽出の不確かさを推定します。
シミュレーションに基づくEMPレポート。「EMP等級分け」の詳細については、『品質と工程』の「工程監視の等級分けについて」を参照してください。