「非線形回帰のあてはめ」レポートのタイトルバーにある赤い三角ボタンをクリックすると、次のようなオプションが表示されます。
パラメータの範囲
パラメータの範囲を設定します。このオプションを選択すると、設定パネルに編集ボックスが表示されます。制約を設けないパラメータについては、フィールドを空白にしておきます。
プロット
X変数が1つしかない場合、X変数とY変数のプロットが作成されます。プロットには、現在のパラメータ値に基づくモデルが表示されます。現在のパラメータ値を変更するには、スライダを使用するか、またはプロットの下にあるボックスを編集します。起動ダイアログボックスで[グループ化]変数を指定した場合、グループごとに曲線が作成されます。
反復オプション
このメニューには、反復計算のアルゴリズムに関するオプションが用意されています。
反復計算のログ
「反復履歴」表の表示/非表示を切り替えます。このオプションが選択されると、それ以降の反復について反復計算の情報が表に記録されます。
数値微分のみ
推定を行うアルゴリズムで用いる微分において、数値微分のみを使用するようにします。モデルが複雑で解析的な微分を計算するのが困難であるような場合に効果的な機能です。また、解析的微分に基づく反復計算が収束しないようなケースに対しても役に立ちます。
中間計算式の展開
計算式に使われている列の中に、さらに計算式が含まれている場合に、(他の列を参照している)内側の式が代入されます。このオプションを使うときに、特定の列だけ展開されないようにするには、展開したくない列の列プロパティにおいて「その他」を選択し、「計算式の展開」(英語名は「Expand Formula」)という名前の列プロパティを作成し、その値を0とします。
Newton
最適化アルゴリズムとして、Gauss-Newton法(通常の最小2乗法に適しているアルゴリズム)またはNewton-Raphson法(一般的な損失関数の最適化に適しているアルゴリズム)のいずれかを指定します。
準Newton SR1
最適化方法として準Newton SR1が使われます。この手法は、各反復でのヘッセ行列およびその逆行列の計算を簡単な近似に置き換えています。
準Newton BFGS
最適化方法として準Newton BFGSが使われます。この手法は、パラメータの個数が多い場合に適しています。
現在の推定値を採用
推定値を求めるための反復計算が収束しなくても、現在の推定値を使用して解レポートを生成します。
微分した式の表示
非線形回帰式を微分した式(導関数)がJMPログに表示されます。微分した式の内容については、微分の統計的詳細を参照してください。
スレッドを使用しない
反復計算が現在の1つのメインスレッドで実行されます。このオプションを選択しない場合、ほとんどの場合、別の1つのスレッドで反復計算は行われます。そのため、非線形回帰の反復計算中に他の処理を行っても、JMPの応答性は高いままです。しかし、中にはメインスレッドで実行すべきケース(たとえば、表示ルーチンを呼び出すような副作用があるモデル)もあるので、その場合にはこのオプションをオンにします。
プロファイル
応答曲面を表示するさまざまなプロファイルが用意されています。
プロファイル
予測プロファイルの表示/非表示を切り替えます。[プロファイル]には、各X変数について、予測値の曲面の縦断面が描かれます。また、因子の最適値を見つけることもできます。
等高線プロファイル
等高線プロファイルの表示/非表示を切り替えます。[等高線プロファイル]を選択すると、2次元の等高線図と3次元のメッシュプロットが描かれます。
曲面プロファイル
3次元の曲面プロットの表示/非表示を切り替えます。このオプションは、2つ以上のX変数を持つモデルでのみ使用できます。
パラメータプロファイル
パラメータに対するSSE(または損失)を描いたプロファイルの表示/非表示を切り替えます。
パラメータ等高線プロファイル
パラメータに対するSSE(または損失)を描いた等高線プロファイルの表示/非表示を切り替えます。
パラメータ曲面プロファイル
パラメータに対するSSE(または損失)を描いた3次元曲面プロットの表示/非表示を切り替えます。このオプションは、モデルに2つ以上のパラメータがある場合のみ使用できます。
プロファイル尤度
([非線形回帰]が2つ以上のパラメータを含む損失関数を使って起動された場合にのみ利用可能。)1つのパラメータに対するプロファイル尤度関数の表示/非表示を切り替えます。プロファイル尤度とは、該当のパラメータ以外はすべて損失関数を最小化するように最適化したときの、該当のパラメータに対する尤度関数を描いたものです。なお、プロファイル尤度関数のプロットでは最大値が1に調整されています。プロファイル尤度曲線と信頼水準の水平線との交点は、そのパラメータに対する尤度信頼区間を表します。パラメータは、プロットの上にあるパラメータリストをクリックして変更できます。横軸を調整した後、[領域の更新]ボタンを使用してプロットを更新します。
設定の変更
プロファイルの計算に使用されるグリッドの解像度を変更できるウィンドウが開きます。
プロファイル尤度等高線
([非線形回帰]が3つ以上のパラメータを含む損失関数を使って起動された場合にのみ利用可能。)2つのパラメータに対するプロファイル尤度関数の表示/非表示を切り替えます。プロファイル尤度とは、該当のパラメータ以外はすべて損失関数を最小化するように最適化したときの、該当のパラメータに対する尤度関数を描いたものです。この2つのパラメータは、プロットの上にあるパラメータリストをクリックして変更できます。横軸を調整した後、[領域の更新]ボタンを使用してプロットを更新します。
設定の変更
等高線の計算に使用されるグリッドの解像度を変更するウィンドウが開きます。
グリッド上のSSE
解の推定値を中心に値のグリッドを作成し、それぞれの値について誤差平方和を計算します。反復計算によって求められたパラメータ推定値におけるSSEが最小になっている状態が、理想です。このオプションを選択すると、「出力のグリッドを指定」が表示され、次のようなオプションが使用できます。
パラメータ
モデルのパラメータがリストされています。
最小値
グリッドにおけるパラメータの最小値を指定します。デフォルトの「最小値」は、求められたパラメータ推定値から「近似標準誤差」の2.5倍を引いたものです。
最大値
グリッドにおけるパラメータの最大値を指定します。デフォルトの「最大値」は、パラメータ推定値に「近似標準誤差」の2.5倍を足したものです。
ポイントの数
パラメータごとに、配置するグリッド点の個数を指定します。グリッドのデータテーブル内に作成される点の個数は、すべての[ポイントの数]値を掛け合わせたものになります。デフォルトでは、最初の2つのパラメータの[ポイントの数]が11個で、残りのパラメータは3個になっています。デフォルトとは別の値を指定するときは、グリッドのデータテーブルに現在のパラメータ推定値が含まれるようにするため、奇数値を指定してください。[ポイントの数]が0のパラメータに対しては、現在のパラメータ推定値だけがグリッドに配置されます。
[実行]をクリックすると、指定したポイント数から構成されるグリッドが、新しいデータテーブルに作成されます。現在のパラメータ推定値がデータテーブルに含まれている場合は、その行が強調表示されます。
元のパラメータに戻す
パラメータの値を、最初に設定したパラメータ値(計算式列のパラメータで指定されている値)に戻します。
解を記録
現在のパラメータ推定値と要約統計量を含む「記録したモデル」というレポートが作成されます。複数のモデルの結果を記録し、比較することができます。これは、パラメータに対する制約の異なるモデルや、異なるオプションであてはめたモデルを比較する場合に便利です。特定のモデルのラジオボタンをクリックすると、そのモデルがプロットに表示され、パラメータ推定値が「設定パネル」に表示されます。
カスタム推定値
分析者によって指定されたパラメータの関数に対する推定値を求めます。パラメータだけから成る式を指定してください。その指定された式に現在のパラメータ推定値が代入されて計算されます。また、1次のTaylor展開による近似に基づいて式の標準誤差も計算されます。
カスタム推定プロファイル
カスタム式のプロファイルを作成できます。カスタム推定プロファイルは、自分自身で非線形の式を指定して、その関数値を調べたい場合に役立ちます。パラメータと少なくとも1つの因子を含む式を指定します。この式に変換を適用するためのオプションもあります。[OK]をクリックした後に、因子の初期値を指定します。式のプロファイルは、現在のパラメータ推定値に基づいて、各因子に対して描かれます。このプロファイルでの因子の初期値は、指定された初期値に設定されます。[カスタム推定プロファイル]オプションは複数回、選択でき、複数のカスタム推定プロファイルを追加できます。各カスタム推定プロファイルの赤い三角ボタンのメニューには、それぞれプロファイルのグラフと因子設定のオプションが含まれています。『プロファイル機能』の“Profiler”を参照してください。プロファイルを削除するには、対応する赤い三角ボタンをクリックし、[プロファイルを削除]を選択します。カスタムプロファイルの作成を参照してください。
メモ: デフォルトでは、式と因子に対するプロファイルの軸範囲が狭い場合があります。軸をダブルクリックして新しい最小値と最大値を指定することで、範囲を調整できます。
カスタム逆推定
応答変数の指定された値に対してX値を推定します。推定されたX値に対して、その標準誤差と信頼限界も計算されます。なお、モデル式の逆関数は、JMPが求められるものでなければいけません。標準誤差は、逆関数の1次Taylor展開による近似で求められます。また、信頼区間が、標準誤差と、t分布の分位点を使って、Wald法により求められます。
予測式の表示
レポートで予測モデルまたは損失関数の表示/非表示を切り替えます。
予測信頼限界の保存
データテーブルに新しい列を作成します。新しい列には、モデルの予測値に対する漸近的な信頼限界が含まれます。これは、指定されたX値における応答変数の平均値に対する信頼区間です。
個別信頼限界の保存
データテーブルに新しい列を作成します。新しい列には、個々の予測値に対する漸近的な信頼限界が含まれます。これは、指定されたX値における応答変数の個々の値に対する予測値の信頼区間です。
計算式の保存
モデルの分析結果をデータテーブル列に保存するためのオプションを含みます。
予測式の保存
データテーブルに新しい計算式列を保存します。新しい列には、現在のパラメータ推定値を使用した予測式が含まれます。
予測値の標準誤差の保存
データテーブルに新しい計算式列を保存します。新しい列には、モデルによる予測値に対する標準誤差の計算式が含まれます。これは、指定されたX値における応答変数の平均値に対する標準誤差です。この計算式は、Sqrt(VecQuadratic(matrix1,vector1))の形式です。matrix1はパラメータ推定値の共分散行列であり、vector1はモデルの各パラメータに対する偏微分です。
個々の標準誤差の保存
データテーブルに新しい計算式列を保存します。新しい列には、個々の予測値に対する標準誤差の計算式が含まれます。これは、指定されたX値における応答変数の個々の値に対する予測値の標準誤差です。計算式はSqrt(VecQuadratic(行列1,ベクトル1)+mse)という形を取ります。「行列1」はパラメータ推定値の共分散行列、「ベクトル1」はモデル式を各パラメータについて偏微分した式を要素とするベクトル、「mse」は誤差分散の推定値です。
残差計算式の保存
データテーブルに新しい計算式列を保存します。新しい列には、残差を計算するための計算式が含まれます。
予測信頼限界の計算式の保存
データテーブルに新しい計算式列を保存します。新しい列には、モデルによる予測値に対する信頼区間を計算するための計算式が含まれます。これは、指定されたX値における応答変数の平均値に対する信頼区間です。
個別信頼限界の計算式の保存
データテーブルに新しい計算式列を保存します。新しい列には、個々の値に対する予測値の信頼区間を計算するための計算式が含まれます。これは、指定されたX値における応答変数の個々の値に対する予測値の信頼区間です。
逆推定計算式の保存
データテーブルに新しい計算式列を保存します。新しい列には、モデルを逆推定するための計算式、逆推定の標準誤差の計算式、および個々の逆推定の標準誤差の計算式が含まれます。
解の計算式を保存
データテーブルに新しい計算式列を保存します。新しい列には、応答変数と他のX値または定数を基にしてX変数を評価するための予測式と標準誤差の計算式が含まれます。このオプションは、単純な状況では[逆推定計算式の保存]と同じです。ただし、このオプションでは、複数の変数をもつ関数も扱うことができ、また、計算式の特定の変数への値の代入もできます。正しく機能するのは、演算子や関数が可逆であり、それらが計算式の中に1回しか出てこない場合のみです。
このオプションを選択すると、ウィンドウが表示され、解を求めたい対象となる変数を選択できます。また、結果のデータテーブルの計算式で参照される列の名前を変更することもできます。列名ではなく、数値を指定することもできます。数値を指定した場合、それらの数値を代入して計算式が解かれます。
メモ: 標準誤差・信頼区間・仮説検定が正しくなるのは、最小2乗推定が行われた場合か、負の対数尤度が損失関数として指定され最尤推定が行われた場合のみです。
推定値をテーブルに保存
パラメータ推定値を含む新しいデータテーブルを作成します。