管理図ビルダーでは、短期操業管理図(short run chart)を作成することができます。短期操業管理図は、1 つの組み立てラインにおいて複数の製品を生産している状況で有用です。従来の管理図を複数の製品に対して1枚の図で描いた場合、それらの製品の目標値が異なる場合には誤解を招く可能性があります。短期操業管理図は、観測値を中心化または標準化することで、異なる目標値をもつ製品の管理図を1枚の図に描きます。
「中心化管理図」(centered chart)では、観測値から該当の製品の目標値を引きます。「標準化管理図」(standardized chart)では、観測値から目標値を引いたものがシグマで割られます。
メモ: 中心化された管理図では、製品ごとの平均は異なるが分散は一定であると仮定しています。
短期操業管理図には、データと指定された統計量に応じていくつかの種類があります。製品目標値、製品シグマ、管理限界値は、Wise and Fair(2006)に記載されている方法で計算されます。短期操業管理図の統計的詳細を参照してください。
• 短期操業管理図のうち「偏差管理図」(short run difference chart)は、個々の測定値を中心化したものをプロットした位置図です。
• 短期操業管理図のうち「Z管理図」(short run Z chart)は、個々の測定値を標準化したものをプロットした位置図です。
• 短期操業管理図のうち「中心化移動範囲管理図」(short run moving range on centered charts)は、連続する2つの中心化された測定値の移動範囲をプロットしたばらつき図のです。
• 短期操業管理図のうち「標準化移動範囲管理図」(short run moving range on standardized charts)は、連続する2つの標準化された測定値の移動範囲をプロットしたばらつき図です。
• 短期操業管理図のうち「平均偏差管理図」(short run average difference chart)は、中心化された測定値から計算されたサブグループごとの平均をプロットした位置図です。
• 短期操業管理図のうち「Z管理図」(short run Z chart)は、標準化された測定値から計算されたサブグループごとの平均をプロットした位置図です。
• 短期操業管理図のうち「中心化範囲管理図」は、中心化された測定値から計算されたサブグループごとの範囲をプロットしたばらつき図です。
• 短期操業管理図のうち「標準化範囲管理図」は、標準化された測定値から計算されたサブグループごとの範囲をプロットしたばらつき図です。
メモ: 「中心化短期操業管理図」(centered short run control chart)は、「デルタ管理図」(Delta chart)または「公称値からの逸脱(DNOM; Deviation from Nominal)管理図」と呼ばれることもあります。「標準化短期操業管理図」(standardized short run control chart)は、「Z-MR管理図」と呼ばれることもあります。