「構造方程式モデル」プラットフォームでは、分析対象とするデータに欠測値があるかないかによって、デフォルトの推定法を使い分けています。「構造方程式モデル」プラットフォームは、データに欠測値がない場合、デフォルトで最尤(ML; Maximum Likelihood)推定を使用します。データに欠測値がある場合は、デフォルトで完全情報最尤(FIML; Full Information Maximum Likelihood)推定を使用します。いずれの場合も、デフォルトでは、標準誤差は観測情報量行列から算出されます。「構造方程式モデル」の赤い三角メニューで[推測方法]>[ロバストな推測]オプションを選択した場合は、ロバストな標準誤差が算出されます。[ロバストな推測]オプションを選択した場合のこのロバストな標準誤差は、「サンドイッチ分散」と呼ばれているものの平方根です。このロバストな標準誤差は、分析対象のデータが非正規分布の場合に生じる標準誤差推定値の偏りを修正します。「サンドイッチ分散」のパンにあたる部分は、ユーザーが指定したモデルから計算される観測情報量行列です。そして、「サンドイッチ分散」の中身 にあたる部分は、「個々の観測値で計算される勾配」の外積を合計したものです。このプラットフォームでは、最適化アルゴリズムとして、Newton-Raphson法、準Newton法、Fisherスコアリング法などを組み合わせて使っています。
メモ: なお、「構造方程式モデル」プラットフォームの最尤推定では、標本共分散行列を計算するのに、N - 1ではなく、標本サイズNで割って、最尤推定します。