ここでは、結果変数(y)と媒介変数(M)の媒介分析で使用される連立一次方程式について、最も簡単な例とともに説明します。原因変数(x)と媒介変数(M)および原因変数(x)と結果変数(y)の間の関係を、次のように表します。


最初の式は、媒介変数(M)に対する原因変数(x)の効果を示しています。原因変数(x)が1単位増加するごとに、媒介変数(M)はa単位増加すると予想されます。2番目の式は、媒介変数(M)の値がまったく同じ2つの個体がある場合、原因変数(x)の値が大きい方が、結果変数(y)に対してc'単位の変化をもたらすことを示します。直接効果(c')が正の値を示す場合、媒介変数が同じ値ならば、原因変数(x)が増加すると、結果変数(y)も増加する可能性が高いです。一方、効果が負の値を示す場合、媒介変数が同じ値ならば、原因変数(x)が増加すると、結果変数(y)は減少する可能性が高いです。
これらの式をもとに、この媒介分析モデルにおける直接効果と間接効果を定義できます。これらの式は、次のように変形できます。



変形した式から、以下のことが言えます。
b0y + bb0Mは、新しい切片です。
c' + abは、新しい傾きです。この新しい傾きは、総合効果(c)と呼ばれ、直接効果(c')と間接効果(ab)で構成されます。
beM + eyは、新しい誤差項です。
総合効果は次のように定義することができます。
総合効果(c)= 直接効果(c' )+間接効果(ab)
