公開日: 04/21/2025

「あてはめの要約」指標の統計的詳細

この節では、「構造方程式モデル」プラットフォームの「あてはめの要約」に示される統計量について説明します。

AICc・BIC・BICu

AICcとBICは次のように定義されます。

AICc = Equation shown here

BIC = Equation shown here

ここで

-2logLは、対数尤度をマイナス2倍したもの。

nは、標本サイズ。

kは、パラメータの個数。

「モデルの比較」レポートに表示される尤度に基づく指標については、『基本的な回帰モデル』の「Likelihood, AICc, and BIC」を参照してください。

「飽和モデルに対するBIC」(BICu; BIC relative to the unrestricted model)は次のように定義されます。

BICu = Equation shown here

ここで

Equation shown here は、あてはめたモデルに対するカイ2乗。

dfminは、あてはめたモデルに対するカイ2乗の自由度

nは、標本サイズ。

現モデルのBICuは、現モデルのBICから飽和モデルのBICを引いたものに相当します。飽和モデルに対するBICの詳細については、Bollen et al.(2014)を参照してください。

CFI

比較適合度指標(CFI; Comparative Fit Index)は次のように定義されます。

CFI = Equation shown here

ここで

Equation shown here は、独立モデルに対するカイ2乗。

df0は、独立モデルに対するカイ2乗の自由度

Equation shown here は、あてはめたモデルに対するカイ2乗。

dfminは、あてはめたモデルに対するカイ2乗の自由度

CFIの詳細については、Bentler(1990)を参照してください。

RNI

相対非心度指標(RNI; Relative Noncentrality Index)は次のように定義されます。

RNI = Equation shown here

ここで

Equation shown here は、独立モデルに対するカイ2乗。

df0は、独立モデルに対するカイ2乗の自由度

Equation shown here は、あてはめたモデルに対するカイ2乗。

dfminは、あてはめたモデルに対するカイ2乗の自由度

RNIの詳細については、McDonald and Marsh(1990)を参照してください。

TLI

TLI(Tucker-Lewis Index; Tucker-Lewis指標)の定義は、以下のとおりです。

TLI = Equation shown here

ここで

Equation shown here は、独立モデルに対するカイ2乗。

df0は、独立モデルに対するカイ2乗の自由度

Equation shown here は、あてはめたモデルに対するカイ2乗。

dfminは、あてはめたモデルに対するカイ2乗の自由度

詳細については、West et al.(2012)を参照してください。

NFI

Bentler-BonettのNFI(Normed Fit Index; 規準化適合指標、標準化適合指標)の定義は以下のとおりです。

NFI = Equation shown here

ここで

Equation shown here は、独立モデルに対するカイ2乗。

Equation shown here は、あてはめたモデルに対するカイ2乗。

詳細については、West et al.(2012)を参照してください。

Revised GFIとRevised AGFI

修正済みGFI(revised Goodness-of-Fit Index)の定義は以下のとおりです。

Revised GFI = Equation shown here

ここで

Equation shown here は、あてはめたモデルに対するカイ2乗。

dfminは、あてはめたモデルに対するカイ2乗の自由度

pは、あてはめたモデルの観測変数の個数。

nは、標本サイズ。

修正済みAGFI(revised Adjusted Goodness-of-fit Index)の定義は以下のとおりです。

Revised AGFI = Equation shown here

ここで

p*は、観測変数の共分散行列と平均ベクトルにおける要素の個数(ただし、共分散行列にて重複するものはカウントしない)。

dfminは、あてはめたモデルに対するカイ2乗の自由度

詳細については、Maiti and Mukherjee(1991)およびWest et al.(2012)を参照してください。

RMSEA

近似の平均平方誤差平方根(RMSEA; Root Mean Square Error of Approximation)は次のように定義されます。

RMSEA = Equation shown here

ここで

nは、標本サイズ。

dfminは、あてはめたモデルに対するカイ2乗の自由度

Equation shown here は、あてはめたモデルに対するカイ2乗。

RMSEAの信頼限界は、非心カイ2乗分布の累積分布関数を使って計算されます(F(x|l, d))。90%の信頼区間は、以下のように計算されます。

下限 = Equation shown here

上限 = Equation shown here

ここで

lLは、F(Equation shown here|lL, dfmin) = 0.95を満たすもの。

lUは、F(Equation shown here|lU, dfmin) = 0.05を満たすもの。

詳細については、Maydeu-Olivares et al.(2017)を参照してください。

RMRとSRMR

RMRとSRMRの計算式は、以下のとおりです。

RMR = Equation shown here

SRMR = Equation shown here

ここで

pは、顕在変数の個数。

bは、観測変数の共分散行列と平均ベクトルにおける要素の個数(ただし、共分散行列にて重複するものはカウントしない)。

Equation shown here

sijは、入力データの共分散行列の(i, j)番目の要素。

Equation shown here は、推定された共分散行列の(i, j)番目の要素。

Equation shown here は、標本平均ベクトルのi番目の要素。

Equation shown here は、推定された平均ベクトルのi番目の要素。

詳細については、SAS Institute Inc.(2023a)の「CALIS Procedure」章を参照してください。

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