分析対象の集団に属する個体(サンプル)に対して、複数の異なる祖先集団がどれぐらい寄与しているかをを推定するには、[分析]>[ライフサイエンス]>[マーカーの遺伝的混合]を選択して、「マーカーの遺伝的混合」プラットフォームを起動します。
図6.2 「マーカーの遺伝的混合」起動ウィンドウ
マーカー
分析対象のマーカーを指定するには、該当するマーカー列を選択し、[マーカー]をクリックします。
サンプル ID
各行を一意に識別する値を持つ変数を指定します。
ラベル
このオプションを使用すると、プロットの各個体にラベルを付けるために、指定した列の値を使用できます。指定された列の値は一意である必要はありません。
By
By変数を指定すると、その変数の水準ごとに個別のレポートが作成されます。複数のBy変数を割り当てた場合は、それらのBy変数の水準の組み合わせごとに個別にレポートが作成されます。
これらのオプションが指定されたら、[OK]をクリックすると、「マーカーの遺伝的混合」プラットフォームが起動し、「モデルの設定」ウィンドウが開きます。ここで残りのオプションを指定します。
図6.3 「マーカーの遺伝的混合」の「モデルの設定」ウィンドウ
欠測マーカーの補完法
マーカーの欠測値の補完方法を指定するには、このオプションを使用します。「マーカーの遺伝的混合」プラットフォームで使われている計算方法は欠測値があると計算できないために、次のいすれかの方法で欠測値は必ず補完する必要があります。
– データの観測度数に基づく多項分布の乱数によって、欠測している遺伝子型を補完したい場合には、[HWE オフ]を選択します。
– Hardy-Weinberg平衡(HWE)での期待度数に基づく多項分布の乱数によって欠測している遺伝子型を補完したい場合には、[HWE オン]を選択します。
– [ランダム]を選択すると、許容値(0, 1, 2, ..., K(ここで、Kは倍数性における倍数))のいずれかがランダムに割り当てられます。
– ゼロから倍数までの指定された整数によって、欠測している遺伝子型を補完したい場合には、[指定値]を選択します。
推定法
祖先集団の数を推定する方法を指定します。これにより、祖先集団の数、つまり、個体をグループ化するクラスター数が判断されます。
– 最適な祖先集団の数をデータから決めたい場合には、[安定点]を選択してください。
– 祖先集団の数が予め分かっている場合には、[指定の個数]を選択してください。そして、「詳細オプション」における「[祖先集団の数]でその既知の数を指定してください。
集団の表示順序
このオプションによって、レポートにおける個体の表示順序が変更されます。
– 各個体の平均混合確率によって個体を並べ替えるには、「平均混合」を選択します。
– 各個体の混合確率がモデルによって説明される分散の割合によってによって個体を並べ替えるには、「説明された分散の割合」を選択します。
スレッドを使用しない
マルチスレッドを使わないようにするには、このオプションを使用します。計算速度を速くしたい場合は、このオプションをオフにしてください。
乱数シード値の設定
疑似乱数系列の開始値として、負でない整数を指定します。シード値が異なれば、シミュレーションの結果も異なります。このオプションは、補完法として[HWE オフ]、[HWE オン]、または[ランダム]を選択した場合に使用できます。
祖先集団の数
祖先集団の数を指定するには、このオプションを使用します。このオプションは、[推定法]で[指定の個数]を指定した値した場合にのみ使用できます。
補完値
このオプションは、欠測値となっているセルを、指定された値によって補完します。このオプションは、補完法として「指定値」を選択した場合にのみ使用できます。
これらのオプションが指定した後に、[実行]ボタンをクリックして分析を実行します。
JMPで処理や統計分析を行うほとんどの場合において、分析対象のデータテーブルが特定のデータ構造で作成されていることを前提としています。JMPでは、縦長形式(tall; トール)と横長形式(wide; ワイド)のデータ構造が区別されます。縦長形式のデータテーブルは、サンプルが列で、分子に関する情報(マーカー・遺伝子・クローン・タンパク質・代謝物など)が行です。一方、横長形式のデータテーブルは、縦長のデータテーブルを転置したもので、サンプルが行、分子に関する情報が列となります。
分析する入力データセットを指定する際には、ソフトウェアに必要な形式を知っておくことが重要です。「マーカーの遺伝的混合」では、分析対象のデータテーブルを横長形式にしておく必要があります。[テーブル]メニューの[転置]オプションを使用すると、縦長形式のデータテーブルを横長形式に、横長形式のデータテーブルを縦長形式に変換できます。
マーカーのデータは、数値で保存しておく必要があります。また、1つのマーカーに対する情報を、1列に保存しておく必要があります。通常、この形式では、2倍体の生物において、頻度の少ない方の(つまりマイナーアレルの方の)ホモ接合を「2」、ヘテロ接合を「1」で表します。そして、頻度の多い方のアレルのホモ接合は「0」で表します。