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公開日: 09/09/2026

Image shown here構造方程式モデルの概要

「構造方程式モデル」プラットフォーム(SEM; Structural Equation Models)では、さまざまなモデルをあてはめることができ、また、それらのモデルにおける変数間の関係についての仮説を検証することができます。モデルに含まれる変数には、観測されるもの(顕在変数)と、観測されないもの(潜在変数)があります。構造方程式モデルは、社会科学や行動科学の分野でよく利用されます。

このプラットフォームでは、デフォルトでは、(標準化したデータに対するモデルではなく)平均パラメータと分散パラメータを含むモデルがあてはめられます。「構造方程式モデル」プラットフォームでは、モデル作成の画面が表示されます。この画面において、作成中のモデルをいくつかの観点からチェックできます。さらに、モデルを作成する途中で、モデルの識別性に関する情報が表示されます。推定できないであろうモデルに対しては、実行前に警告が表示されます。

1つまたは複数のモデルをあてはめた後、それらのモデルと2つの基本モデルを「モデルの比較」レポートで比較できます。基本モデルには、「無構造モデル」(無制約モデル; unrestricted model)と「独立モデル」の2つがあります。「無構造モデル」は、指定されたすべての顕在変数に関して、すべての平均パラメータ・分散パラメータ・共分散パラメータを仮定したモデルです。この無構造モデルは、データにまったく構造を仮定しない飽和モデルです。一方、「独立モデル」は、指定されたすべての顕在変数に関して、すべての平均パラメータと分散パラメータだけを仮定したモデルです。独立モデルでは、顕在変数間の共分散はゼロに固定されます。そのため、かなり制約されたモデルです。「モデルの比較」レポートで、あてはめたモデルを選択して新しい独立モデルとして設定することもできます。これにより、デフォルトの独立モデルが置き換えられ、適合度指標が更新されて、モデルのあてはめをより正確に評価することが可能となります。詳細については、複数の潜在成長曲線モデルを比較する例を参照してください。

「構造方程式モデル」プラットフォームでは、いくつかの推定法が用意されています。デフォルトで、欠測値がない場合は最尤法(ML; maximum likelihood)が、ランダムな欠測(MAR; missing at random)がある場合は完全情報最尤法(FIML; full information maximum likelihood)が使用されます(Finkbeiner 1979)。ロバスト最尤法(MLR; robust maximum likelihood)を選択することもできます。この「ロバスト最尤法」では、通常の最尤法により点推定値を求めた後、標準誤差が「サンドイッチ分散」によって求められます。このロバストな標準誤差は、サンドイッチ分散の対角要素の平方根です。このロバストな標準誤差は、通常の最尤推定における正規性などのモデルの仮定が満たされない状況に対応します。「ロバスト最尤推定」では、さらに、通常の最尤推定における仮定が満たされていなくても第1種の誤りを制御するように、カイ2乗検定量のスケールを調整します。推定法として、モデル誘導操作変数2段階最小2乗法(MIIV 2段階最小2乗推定法; model-implied instrumental variables two-stage least squares)を使用することもできます。これは、方程式ごとの推定方法であり、最尤法などで必要な反復計算が不要です。また、モデル全体の構造に対する誤指定に対してロバストであり、また操作変数として使われる説明変数に対して、多変量正規分布を仮定する必要がありません。このモデル誘導2段階最小2乗推定(MIIV 2段階最小2乗推定)は、1つ1つの方程式における偏りが全体に波及するのを回避し、また、最尤法において生じる収束の問題も回避します。このモデル誘導2段階最小2乗推定(MIIV 2段階最小2乗推定)は、標本サイズが小さい場合や、モデルの仮定が満たされない可能性がある場合に、特に有用です。また、1つ1つの方程式ごとに適合度統計量(Sargan検定量)が示されるため、モデルの不適合の原因(モデルがデータにあまりうまくあてはまっていないことの原因)を特定しやすくなります。

構造方程式モデルの詳細については、SAS Institute Inc.(2025a)の「CALIS Procedure」章、Bollen(1989)、Kline(2016)を参照してください。

メモ: 「構造方程式モデル」プラットフォームで推定されるモデルには、すべて平均構造が含まれています。この平均構造は、リストでは「Constant」項(定数項)として表示されます。観測変数ごとの平均パラメータに制約を何も課したくない場合は、デフォルトの平均構造(各変数ごとに別々に平均パラメータを設定している構造)のように、平均パラメータを制約なく推定できるようにする必要があります。

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