このバージョンのヘルプはこれ以降更新されません。最新のヘルプは https://www.jmp.com/support/help/ja/15.2   からご覧いただけます。


ここでは、Kowalski, Cornell, and Vining(2002)による例をもとに、 自動車のシートカバー用ビニールの厚さに影響する5つの因子について調べます。実験で使用する応答と因子は、次のとおりです。
応答は、製造されるビニールの「厚さ」です。これを最大化するのが目的です。 厚さの値の下側限界は10です。
一次単位の因子は、押出速度(「押出速度」)と乾燥温度(「温度」)です。これらは工程変数で、設定の変更が困難です。
二次単位の因子は3つの軟化剤の配合割合(「m1」・「m2」・「m3」)で、これらは合計すると1になります。これらの因子は配合成分です。
2.
「応答名」の下の「Y」をダブルクリックし、「厚さ」と入力します。
因子を手動で追加するには、第 4 步から第 11 步の手順に従います。または、保存されたデータテーブルから因子をロードする場合は、「カスタム計画」の横の赤い三角ボタンのメニューから[因子のロード]を選択します。そして、「Design Experiment」フォルダの「Vinyl Factors.jmp」サンプルデータを開きます。[因子のロード]を選択する場合は、第 4 步第 11 步の手順を省略してください。
4.
「N個の因子を追加」の右側のボックスに「2」と入力します。
6.
それぞれに「押出速度」「温度」という名前をつけます。
7.
[容易]をクリックし、「押出速度」「温度」の「変更」を[困難]に変更します。
これで、「押出速度」「温度」が一次単位に定義されます。
8.
「N個の因子を追加」の右側のボックスに「3」と入力します。
9.
10.
配合因子にそれぞれ「m1」「m2」「m3」という名前をつけます。
図5.72 「応答」および「因子」アウトライン
11.
[続行]をクリックします。
12.
[交互作用]>[2次]を選択します。
13.
[OK]をクリックして、メッセージを閉じます。
14.
「一次単位の数」の横のボックスに「7」と入力します。
15.
[ユーザ定義]の横のボックスに「28」と入力します。
メモ: 乱数シード値(第 16 步)と開始点の数(第 17 步)を設定すると、以下の数値例と同じ結果が得られます。同じ結果でなくても良い場合は、これらの手順は不要です。
16.
(オプション)「カスタム計画」の赤い三角ボタンのメニューから[乱数シード値の設定]を選択し、「123686」と入力して[OK]をクリックします。
17.
(オプション)「カスタム計画」の赤い三角ボタンのメニューから[開始点の数]を選択し、「10」と入力して[OK]をクリックします。
18.
[計画の作成]をクリックします。
図5.73 「計画」アウトライン
一次単位の因子「押出速度」「温度」は、因子「一次単位」の水準に合わせて7回リセットされます。「一次単位」の各水準内で、配合成分の「m1」「m2」「m3」が無作為に割り当てられます。
「Vinyl Data.jmp」サンプルデータには、旧バージョンのJMPで作成した計画を使った実験の結果が含まれています。
1.
[ヘルプ]>[サンプルデータライブラリ]を選択し、「Design Experiment」フォルダの「Vinyl Data.jmp」を開きます。
2.
「テーブル」パネルで、「モデル」スクリプトの横にある緑の三角ボタンをクリックします。
図5.74 「モデルのあてはめ」ウィンドウ
因子「一次単位」には、変量効果(「&変量効果」)の属性が指定されています。変量効果に指定することにより、「「一次単位」の各水準がもつ効果は確率変数の実現値である」と仮定されます。つまり、「一次単位」は、誤差のように扱われます。
分析手法は[REML(推奨)]です。モデルに変量効果があるため、この手法が用いられます。REMLモデルの詳細については、『基本的な回帰モデル』の標準最小2乗に関する章を参照してください。
3.
[実行]をクリックします。
図5.75 分割実験の分析結果
「パラメータ推定値」レポートからは、3つの配合成分と「押出速度*m3」の交互作用が、0.05の有意水準において有意であることがわかります。
「REML法による分散成分推定値」レポートからは、「一次単位」に関連する分散成分が2.476748であることがわかります。これは、分散全体の38.838%です。つまり、一次単位の誤差項は、残差誤差(プロット内の誤差項)よりも小さいことを示しています。