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このコマンドを選択すると、Crow-AMSAAモデル(MIL-HDBK-189, 1981)があてはめられます。Crow-AMSAAモデルは、時間をtとしたときの強度関数がρ(t) = λβtβ-1である非同次Poisson過程モデルです。ここで、λは尺度パラメータ、βは成長パラメータ、tは時間です。この強度関数は、「Weibull強度(Weibull intensity)」とも呼ばれています。Crow-AMSAAモデルは、「べき乗則モデル」と呼ばれることもあります(Rigdon and Basu, 2000; Meeker and Escobar, 1998)。「再生モデルによる分析」プラットフォームでサポートされている「べき乗非同次Poisson過程モデル」は、このCrow-AMSAAモデルと同じモデルですが、異なるパラメータ表現が使われています。詳細は、「再生モデルによる分析」章の「モデルのあてはめ」(148ページ)の節を参照してください。
「強度関数」は、修理可能なシステムに対して使われる数学的な概念です。時間tにおける強度関数は、tの周りのごく短い時間間隔で故障が生じる確率を、時間間隔で割ったもので、その短い時間間隔をゼロに近づけていった時に収束する極限値として定義されます。強度関数は、特定の時点においてシステムが故障する「密度」を表していると解釈できます。β < 1の場合、時間経過とともに故障は少なくなっており、システムは徐々に向上しています。β > 1の場合、時間経過とともに故障が多くなっており、システムは徐々に悪くなっています。β = 1の場合、故障が生じる頻度は一定です。
図10.8 Crow AMSAAの「累積イベント数」グラフと「モデルリスト」レポート
「平均故障間隔」グラフはデフォルトで表示されます(「平均故障間隔」グラフ)。各時点で、色のついた帯状の部分が、時間tにおける平均故障間隔の95%信頼区間を示します。データの形式が[イベントまでの時間の形式]である場合、「平均故障間隔」グラフの両軸には、対数スケールが使われます。Crow-AMSAAモデルの平均故障間隔は、両対数グラフに描くと、直線になります。なお、[日付形式]を使用した場合は、対数スケールではなく、通常の線形スケールが使われます。
図10.9 「平均故障間隔」グラフ
両対数グラフで、Crow-AMSAAモデルの平均故障間隔が直線になる理由を考えてみましょう。平均故障間隔は、強度関数の逆数です。Crow-AMSAAモデルの強度関数の逆数は、1/(λβtβ-1)です。ここで、tは試験開始時点からの時間です。この式の対数をとると、平均故障間隔の対数は、log(t)の線形関数になっているのが分かります。この時、log(t)に対する傾きは1 - βです。平均故障間隔の推定値は、単純に、パラメータλβに、推定値を代入して求めています。したがって、平均故障間隔の対数は、推定値においても、log(t)の線形関数となっています。
「lambda」(λ)、「beta」(β)、「信頼性成長 傾き」(1 - β)の最尤推定値が、グラフの下の「推定値」レポートに表示されます (「平均故障間隔」グラフを参照)。λβ、1 - βの標準誤差と95%信頼区間も表示されます。計算方法については、第 “Crow-AMSAAモデルのパラメータ推定値”を参照してください。
「強度」グラフには、強度関数の推定値が表示されます(強度グラフ)。 Weibull強度関数はρ(t) = λβtβ-1で求められるため、log(強度)はlog(t)の線形関数となります。データの形式が、[イベントまでの時間の形式]である場合は、このグラフの両軸には対数スケールが使われます。
図10.10 強度グラフ
このコマンドを実行すると、累積イベント数の推定値がプロットされたグラフが表示されます(「累積イベント数」グラフ)。グラフ上には累積イベント数の実測値も表示されます。データの形式が、[イベントまでの時間の形式]である場合は、このグラフの両軸には対数スケールが使われます。
図10.11 「累積イベント数」グラフ
Crow-AMSAAモデルの場合、時間tにおける累積イベント(の期待値)はλtβです。これの対数を取った式は、log(t)の線形関数になっています。よって、Crow-AMSAAモデルの累積イベント数は、両対数グラフに描くと、直線になります。
このコマンドを実行すると、平均故障間隔・強度・累積イベント数を描いた3つのプロファイルが表示されます(プロファイル)。プロファイルでは対数スケールは使用されません。赤い縦の点線をドラッグすることで、さまざまな時点における、これら3つの特性値を知ることができます。時点の値(赤い縦の点線のX座標)は、グラフの下に、赤色の数字で表示されています。また、Ctrlキーを押しながらプロファイル内をクリックすると、ウィンドウが開き、時点の数値をキーボードから入力できます。なお、青い縦の点線は、最後に観測された故障の時点を示しています。
いずれかのプロファイルの赤い三角ボタンをクリックし、[因子設定]>[すべてのプロファイルを連動]を選択すると、プロファイルを連動させることができます。プロファイルの使用方法と解釈については、『基本的な回帰モデル』の「標準的な最小2乗法モデル」章を参照してください。『プロファイル機能』の「プロファイル」章も参照してください。
図10.12 プロファイル
図10.13 「最終時点の平均故障間隔」レポート
非同次Poisson過程(NHPP)から生成される故障のパターンは無数にあり、観測データはそのうちの1つに過ぎません。試験が定数打ち切りで、n回目の故障で打ち切るとします。 「最終時点の平均故障間隔」レポートの信頼区間は、n個の故障時間が確率変数であることを考慮して、計算しています。しかし、試験が定時打ち切りの場合、故障時間だけでなく故障数も確率変数になります。「最終時点の平均故障間隔」の信頼区間を求める計算方法は、「平均故障間隔プロファイル」の信頼区間と異なります。詳細は、Crow(1982)やLee and Lee(1978)を参照してください。
「p値」の列には、データがWeibull型NHPPモデル(Crow-AMSAAモデル)に従っている場合に、実際に観測された検定統計量よりも大きな検定統計量が得られる確率が示されます。このレポートでは、0.25以上のp値は計算されません。検定統計量が、p値が0.25のときの検定統計量よりも小さい場合には、「>=0.25」とレポートされます。 この検定の詳細は、Crow(1975)を参照してください。
「適合度」レポート - Cramér-von Mises検定は、「TurbineEngineDesign1.jmp」のデータにCrow-AMSAAモデルをあてはめた場合の適合度検定を示します。計算された検定統計量のp値は、0.01未満です。つまり、Crow-AMSAAモデルの適合度は悪いと結論できます。
図10.14 「適合度」レポート - Cramér-von Mises検定