公開日: 04/01/2021

分解に関するレポート

この節では、3つの分解オプションで作成されるレポートについて解説します。

「線形トレンド」レポート

「周期性」レポート

「X11」レポート

「線形トレンド」レポート

「線形トレンド」レポートには、データにあてはめられた線形回帰モデルにおけるb0b1の推定値が表示されます。

線形トレンドを除去した後の時系列は、Dt = Ot - Trendtです。この式で、Otは原系列です。

「周期性」レポート

「周期性」レポートには、次式で表される周期性モデルのパラメータ推定値が表示されます。

モデルのパラメータや変数は、次のように定義されます。

Cは、定数(この定数を加えるかどうかはオプション指定)

Aは、余弦波の振幅

Uは、1周期における時点数

Pは、余弦波のフェーズ

tは、特定の観測値の行番号から1を引いた値

周期性を除去した後の時系列は、Dt = Ot - Cycletです。この式で、Otは、原系列です。

「X11」レポート

乗法型を選択した場合には「X11 - 乗法的」レポートが、加法型を選択した場合には「X11 - 加法的」レポートが追加されます。これらのレポートには、次に示す4つのプロットが含まれています。

原系列と調整済み系列

X11法で季節調整した時系列が、元の時系列Otと重ね合わせてプロットされたグラフです。X11法で季節調整した値は、乗法型調整の場合は、Ot/St、加法型調整の場合は、Ot - Stです。

D10 - 最終季節要因

季節項Stを時系列にプロットしたグラフです。

D12 - 最終トレンド

トレンド項Ctを時系列にプロットしたグラフです。

D13 - 最終不規則系列

不規則項(誤差項; irregular components)Itを時系列にプロットしたグラフです。

X11レポートのオプション

X11レポートの赤い三角ボタンのメニューには、次のようなオプションがあります。

各表の表示

X11法で求められた結果の表の表示/非表示を切り替えます。この要約表は、Shiskin et. al.(1967)に記述されているとおりです。表は、表17.1のような5つのカテゴリ(B~F)に分類されます。

列の保存

季節調節済み系列、季節項(St)、トレンド項(Ct)、不規則項(It)を含んだ4つの列をデータテーブルに保存します。

すべての列を保存

[各表の表示]オプションで作成された表のすべての列をデータテーブルに保存します。

表17.1 X11出力表の分類

接頭辞

表の内容

B

季節項・トレンド項・不規則項の予備的な推定値

C

季節項・トレンド項・不規則項の中間推定値

D

季節項・トレンド項・不規則項の最終的な推定値

E

分析表

F

要約指標

X11法の各表の詳細については、Shisken et. al.(1967)、またはSAS/ETS 13.1 User’s Guide(「The output from PROC X11」で検索してください)を参照してください。

より詳細な情報が必要な場合や、質問があるときは、JMPユーザーコミュニティで答えを見つけましょう (community.jmp.com).