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公開日: 11/25/2021

一般的な計算式のシミュレーションの例

プロファイルとシミュレータは、「モデルのあてはめ」で保存された計算式を主に使用します。しかし、列に保存された計算式であれば、どんな式でも用いることができます。特定の確率分布に従った財務モデルの結果を調べる際にも、シミュレーションを用いることができます。それには、モデルの計算式を列に保存したデータテーブルを作成した後、プロファイルを呼び出し、各因子の確率分布を指定します。

1. JMPホームウィンドウで[ファイル]>[新規作成]>[スクリプト]を選択します。これによりスクリプト新規作成ウィンドウが開きます。

2. 以下のJSLスクリプトをスクリプト新規作成ウィンドウにコピー&ペーストします。

dt = New Table( "売上モデル" );
dt << New Column( "売上数量", Values( {1000, 2000} ) );
dt << New Column( "単位価格", Values( {2, 4} ) );
dt << New Column( "単位原価", Values( {2, 2.5} ) );
dt << New Column( "収益",
	Formula( :売上数量 * :単位価格 )
);
dt << New Column( "合計原価",
	Formula( :売上数量 * :単位原価 + 1200 )
);
dt << New Column( "利益",
	Formula( :収益 - :合計原価 ),
	Set Property( "仕様限界", {LSL( 0 )} )
);
Profiler(
	Y( :収益, :合計原価, :利益),
	Objective Formula( 利益 )
);

3. [スクリプトの実行]アイコンImage shown hereをクリックしてスクリプトを実行します。またはキーボードでCtrl-Rを押します。

スクリプトにより図8.24入力変数の上下限を含んだ下図のようなデータテーブルが作成されます。出力変数には計算式が保存されます。また、予測プロファイルも実行されます。

図8.24 スクリプトから作成したデータテーブル 

Data Table Created from Script

4. 「予測プロファイル」の赤い三角ボタンをクリックし、[シミュレータ]を選択します。

5. 「売上数量」「単位原価」の下のメニューで[ランダム]を選択します。

6. 因子パラメータを次のように入力します。

「売上数量」は、「最小値」1000、「最大値」2000の[一様]

「単位価格」は3で[固定]

「単位原価」は、「平均」2.25、「標準偏差」0.1の[正規]

図8.25 予測プロファイルの指定 

Specifications for Prediction Profiler

7. [シミュレート]ボタンをクリックします。

メモ: シミュレーションでは乱数が使われるため、実際の結果は図8.26に示されるものと多少異なります。

図8.26 シミュレータ 

Simulator

このモデルでは利益は得られそうもありません。「利益」の下側仕様限界を0とした場合、不適合率レポートによれば利益が上がらない確率は(この設定では)62%です。

8. 「単位価格」の固定値を3.25に変更します。

9. [シミュレート]ボタンをクリックします。

図8.27 結果 

Results

すると、利益が上がらない確率はおよそ21%にまで下がりました。

利益が上がらない確率をさらに下げたいのに、単位価格を引き上げることができない場合は、原価を抑えるか、売上を増やす方法を検討しなければなりません。

より詳細な情報が必要な場合や、質問があるときは、JMPユーザーコミュニティで答えを見つけましょう (community.jmp.com).