公開日: 11/25/2021

再初期化Weibull-NHPP

このオプションを選択すると、フェーズごとに、別々の独立したCrow-AMSAAモデルがあてはめられます。このようなモデルは、故障に影響を与えている因子が、フェーズ間で大きく変化した場合に役立ちます。そのような状況では、フェーズごとに、個別に検討する必要があるからです。起動ウィンドウで[フェーズ]に指定した列に少なくとも2つの値がある場合、この「再初期化Weibull-NHPPモデル」をあてはめることができます。

この方法でも、分析対象のデータテーブルにおいて、各フェーズは、フェーズの開始時間を含んでいなければいけません。

[イベントまでの時間]または[タイムスタンプ]に指定する列が1列の場合、各フェーズの最初の行は、その開始時間と、0のイベント度数を含んでいなければいけません。例として、サンプルデータの「Reliability」フォルダにある「ProductionEquipment.jmp」を参照してください。

2列を指定する場合、各フェーズの最初の行において、区間の開始時間(2列のうちの小さいほうの値)が、フェーズの開始時間を表していなければなりません。例としては、「Reliability」フォルダの「TurbineEngineDesign2.jmp」データテーブルを参照してください。また、区間打ち切りデータに対する区分NHPP-Weibullモデルも参照してください。

複数のフェーズを参照してください。

このオプションを選択すると、フェーズごとに、別々の独立したCrow-AMSAAモデルをあてはめます。そして、「累積イベント数」グラフに、その結果が追加されます。なお、「累積イベント数」グラフの青い縦の点線は、フェーズ間の境界を示します。また、このオプションを選択すると、「モデルリスト」も更新されます。

「再初期化Weibull-NHPP」レポート

デフォルトでは、「再初期化Weibull-NHPP」レポートには、推定された「平均故障間隔」グラフが表示されます。フェーズは色分けされています。このグラフの下に、「推定値」および「共分散行列」レポートが表示されます。(図10.21参照してください。この図には、「Reliability」フォルダにある「ProductionEquipment.jmp」サンプルデータを使っています)。

図10.21 「再初期化Weibull-NHPP」レポート 

Reinitialized Weibull NHPP Report

「平均故障間隔」グラフ

[再初期化Weibull-NHPP]オプションを選択すると、「平均故障間隔」グラフも描かれます。このグラフのアウトラインは、デフォルトで開いています。プロットの詳細については、「平均故障間隔」グラフを参照してください。

推定値

「推定値」レポートには、各フェーズのlbの推定値が表示されます。このモデルでは、各フェーズのlbは、そのフェーズに属するデータだけから推定されます。このとき、各フェーズは0時間から開始されるものとして、パラメータが推定されます。なお、推定にあたっては、各フェーズが定数と定時のいずれの打ち切りであるかも考慮します。(試験のフェーズを参照)。また、標準誤差と95%信頼区間も計算されます。これらの値の計算方法については、Crow-AMSAAモデルのパラメータ推定値に説明があります。

共分散行列

あてはめたモデルのパラメータ推定値間の共分散行列を推定したもの。このレポートはデフォルトでは閉じた状態になっています。

「再初期化Weibull-NHPP」のオプション

ここでは、「再初期化Weibull-NHPP」の赤い三角ボタンのメニューにあるオプションについて説明します。

平均故障間隔グラフの表示

このオプションは、「平均故障間隔」グラフの表示/非表示を切り替えます。「平均故障間隔」グラフを参照してください。

強度グラフの表示

「強度」グラフには、フェーズごとに、強度関数の推定値と信頼区間が表示されます。再初期化モデルは、フェーズごとに独立して推定されるため、その強度関数も、通常、フェーズの境界において不連続になります。なお、グラフは、フェーズごとに色分けされているので、簡単に区別できます。強度グラフの表示を参照してください。

累積イベント数グラフの表示

「累積イベント数」グラフには、フェーズごとに、累積イベント数の推定値と信頼区間が表示されます。再初期化Weibull-NHPPモデルでも、「累積イベント数」グラフにおける横軸の時間は、試験が開始されてからの経過時間を表しています。再初期化モデルは、フェーズごとに独立して、各フェーズの開始時間を0として推定されます。しかし、このグラフでは、各フェーズの開始からの経過時間ではなく、一番最初のフェーズが開始してからの経過時間を、横軸の座標として描画しています。

再初期化モデルにおける元々の累積イベント数関数は、フェーズの開始時点を0として、フェーズごとに推定されます。「累積イベント数」グラフで描かれている曲線は、直前のフェーズの終了時における累積イベント数に、現フェーズの推定された累積イベント数関数を足し合わせていって求めています。なお、グラフは、フェーズごとに色分けされているので、簡単に区別できます。

プロファイルの表示

このコマンドを実行すると、平均故障間隔・強度・累積イベント数を描いた3つのプロファイルが表示されます(図18.11)。「累積イベント数プロファイル」の曲線は、前節で説明した方法で求められていますので、フェーズの境界でも連続になっています。プロファイルの表示を参照してください。

より詳細な情報が必要な場合や、質問があるときは、JMPユーザーコミュニティで答えを見つけましょう (community.jmp.com).