公開日: 09/19/2023

スコアの要約

「判別分析」レポートの「スコアの要約」セクションは、判別スコアを要約したものです。Figure 5.10の表は、実測値と予測値との2元表になっています。すべてのデータ行が正しく判別されたとき、この表の非対角要素における度数が0になります。

図5.10 「Iris.jmp」のスコアの要約 

「Iris.jmp」のスコアの要約

「スコアの要約」レポートには、次のような情報が表示されます。

[ステップワイズ変数選択]を使用してモデルを作成した場合、モデルに追加された列がリストされます。

ソース

検証セットを使用していない場合、すべてのデータ行が学習セットに使われます。検証セットを使用している場合は、学習セットと検証セットの結果が表示されます。また、テストセットも用いた場合は、学習セット・検証セット・テストセットの結果が表示されます。

誤判別の数

指定のセットで誤判別されたデータ行の数。

誤判別の割合(%)

指定のセットで誤判別されたデータ行の割合。

エントロピーR2乗

適合度の指標。値が大きいほど、あてはまりが良いことを示します。エントロピーR2乗が1の場合、すべての分類が正しく行われたことを意味します。一般に、判別分析モデルによる分類は100%的中することはなく、エントロピーR2乗の値は小さくなる傾向にあります。

エントロピーR2乗を参照してください。

メモ: 「エントロピーR2乗」は負の値である場合もあります。

-2対数尤度

負の対数尤度を2倍したもの。モデルに基づいて、学習セットから算出されます。値が小さいほど、あてはまりが良いことを示します。学習セットに対してのみ計算されます。『基本的な回帰モデル』の尤度・AICc・BICを参照してください。

混同行列

この行列は、分類変数Xの各水準について、実測値と予測値との2元表となっています。JMP Proで検証セットやテストセットを使用した場合、それらのセットに対しても混同行列が表示されます。標準版JMPでは、データテーブルで除外した行を使用している場合に、除外した行が検証セットとみなされ、学習セットと検証セットに対する混同行列が表示されます。標準版JMPとJMP Proの違いを参照してください。

エントロピーR2乗

エントロピーR2乗は適合度の指標です。検証セットやテストセットを使用している場合には、学習セットだけではなく、検証セットやテストセットに対してもエントロピーR2乗が計算されます。

学習セットのエントロピーR2乗

学習セットに対するエントロピーR2乗は次のように求められます。

学習セットだけに対して、判別分析モデルがあてはめられます。

モデルに基づいた予測確率が求められます。

これらの予測確率を使って、学習セットの尤度が求められます。これを、Likelihood_FullTrainingとします。

学習セットだけに対して、減少モデル(共変量を1つもたない判別分析モデル)があてはめられます。

減少モデルから求められる、X水準に対する予測確率を使って、学習セットの尤度が計算されます。これを、Likelihood_ReducedTrainingとします。

学習セットのエントロピーR2乗は次のように求められます。

ここに式を表示

検証およびテストセットのエントロピーR2乗

検証セットに対するエントロピーR2乗は次のように求められます。

学習セットだけに対して、判別分析モデルがあてはめられます。

学習セットだけから推定されたモデルに基づき、検証セットで予測確率が求められます。

これらの予測確率を使って、検証セットの尤度が求められます。これを、Likelihood_FullValidationとします。

学習セットだけに対して、減少モデル(共変量を1つもたない判別分析モデル)があてはめられます。

減少モデルから求められる、X水準に対する予測確率を使って、検証セットの尤度が計算されます。これを、Likelihood_ReducedValidationとします。

検証のエントロピーR2乗は次のように求められます。

ここに式を表示

テストセットのエントロピーR2乗は、検証セットのエントロピーR2乗と同様の方法で求められます。

より詳細な情報が必要な場合や、質問があるときは、JMPユーザーコミュニティで答えを見つけましょう (community.jmp.com).