処置変数が連続変数である場合の統計的手法処置平均が連続変数の場合、[因果処置効果]手法においては、平均潜在結果を推定する方法として2つの方法があります。1つ目の方法は、比調整逆確率重み付け法(IPWR; inverse probability weighting with ratio adjustment)による周辺構造モデル(MSM; marginal structural model)の推定であり、もう1つの方法は、一般化傾向スコア法(GPS modeling; generalized propensity score modeling)モデルです。MSMのIPWR推定はHernán and Robins(2020)、GPS法はHirano and Imbens(2005)によるものです。
両方とも、確率密度を傾向スコアとします。[因果処置効果]手法では、傾向スコアの密度関数f(X|Z)として、平均E[X|Z]、分散σ2の正規分布の密度関数を仮定します。この正規分布の平均や分散は、線形回帰モデルによって推定します。そして、個体iの一般化傾向スコアRiを次のように定義します。
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2つの手法は、その後の傾向スコアの使い方が異なります。
[因果処置効果]手法では、Hernán and Robins(2020)の周辺構造モデル(MSM; marginal structural model)の枠組みを使用しています。MSMは、処置xの特定の水準における潜在結果の周辺平均をモデリングします。[因果処置効果]手法では、次式のMSMを仮定します。
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このような線形回帰モデルで表されるMSMにおけるパラメータγが、安定化逆確率重み(stabilized inverse probability weight)で重み付けて推定されます。処置変数が連続変数である場合、安定化逆確率重みは次のように定義されます。

ここで、f(X)はXの周辺密度、f(X|Z)はX|Zの条件付き確率密度です。周辺密度は、切片だけの線形回帰モデル、つまり、説明変数がない線形回帰モデルで、処置変数Xを応答変数としたモデルによって推定されます。条件付き密度は、前述のモデルから推定されます。
重み付き推定によってパラメータ推定値が求められたら、その求められたモデル式の処置変数に特定の値を代入することによって、平均潜在結果の推定値を求めることができます。
[因果処置効果]手法では、Hirano and Imbens(2005)の一般化傾向スコア法(GPS modeling; generalized propensity score modeling)を使用しています。GPS法では、一般化傾向スコアを推定し、結果変数Yに対するモデルで、推定された一般化傾向スコアを説明変数に使用します。
結果変数Yに対して、次式で表される線形回帰モデルをあてはめます。

ここで、R2項は中心化してから計算します。
パラメータ推定値が求められたら、その求められたモデル式の処置変数に特定の値xを代入することによって、平均潜在結果の推定値を求めることができます。

ここで、r(x, Zi)は、前述した一般化傾向スコア(個体iの処置水準xに対する一般化傾向スコア)です。