因果処置効果の推定[因果処置効果]手法は、観測データから因果効果を推定します。因果効果を適切に推定するには、ランダム化比較試験の実験データを分析するのが最も直接的な方法です。しかし、多くの研究や調査においては、倫理上の懸念や実務上の制約から、研究対象の個体に対して特定の介入をランダムに割り付けることができない状況がよくあります。
[因果処置効果]手法では、処置変数(X変数)および結果変数(Y変数)に対するモデルに基づいて、推定における交絡バイアスを除去して、平均処置効果(ATE; Average Treatment Effect)を推定します。このモデルによって、次のような疑問に対する回答が得られます。
• XがYに影響しているか?
• Xを変化させると、Yがどれぐらい変化するか?
• すべての個体が処置(treatment; 治療、処理)を受けなかった場合(X = 0)と、すべての個体が処置を受けた場合(X = 1)で、Yの期待値はそれぞれどうなるか?
[因果処置効果]手法を使えば、処置が結果(outcome)にもたらす影響を分析できます。ここで、処置変数と結果変数には、二値変数または連続変数を使用できます。また、因果効果の仮定を評価するためのグラフも描かれます。
図14.1 正値性の仮定を評価するための傾向スコア密度プロット