モデル推定の詳細「因果処置効果」レポートに含まれる「モデル推定の詳細」セクションには、「処置モデル」および「結果モデル」という2つのサブセクションが表示されます。これらの内容は、処置変数の種類によって異なります。
処置変数が二値変数の場合処置変数が二値変数で、「モデルのあてはめ」起動ウィンドウで「処置変数のモデル」を指定しなかった場合は(つまり、REGADJによる推定の場合は)、「処置モデル」セクションは空になります。「処置変数のモデル」を指定した場合は(つまり、IPWRまたはAIPWによる推定の場合は)、「処置モデル」セクションには、「傾向スコアの計算: 処置変数」タブが表示されます。また、逆確率重みとして安定化重みを使用した場合は、「傾向スコア切片モデル」タブも表示されます。
「傾向スコアの計算: 処置変数」タブには、処置モデルであるロジスティック回帰モデルに関する推定結果が表示されます。この推定結果は、「一般化線形混合モデル」プラットフォームにおいて、処置変数を応答変数、処置モデルで指定した変数を固定効果の説明変数として、デフォルトの設定でロジスティック回帰モデルをあてはめた結果と同じです。ここでの結果は、特定の共変量における、処置を受ける条件付き確率(つまり、傾向スコア)がどのようなモデルで推定されているかを表しています。「一般化線形混合モデル」プラットフォームのレポートの詳細については、「一般化線形モデルのあてはめ」レポートを参照してください。「傾向スコア切片モデル」タブには、切片だけの処置モデル(切片だけのロジスティック回帰)に関する結果が表示されます。この推定結果は、「一般化線形混合モデル」プラットフォームにおいて、処置変数を応答変数に指定し、説明変数に何も指定しないで、デフォルトの設定でロジスティック回帰モデルをあてはめた結果と同じです。ここでの結果は、処置を受ける周辺確率がどのように推定されているかを表しています。この周辺確率は、安定化重みを計算するのに使われます。
処置変数が二値変数で、「モデルのあてはめ」起動ウィンドウで「結果変数のモデル」を指定しなかった場合は(つまり、IPWRによる推定の場合は)、「結果モデル」セクションには、「傾向スコア加重モデル(ATE)」および「傾向スコア加重モデル(ATET)」という2つのタブが表示されます。「結果変数のモデル」を指定した場合は(つまり、REGADJまたはAIPWによる推定の場合は)、このセクションには、処置変数の各水準に対応する「回帰調整モデル」タブが2つ表示されます。
「傾向スコア加重モデル(ATE)」タブには、あてはめた結果モデル(線形回帰モデルまたはロジスティック回帰モデル)に関する推定結果が表示されます。この推定結果は、「一般化線形混合モデル」プラットフォームを用いて、結果変数を応答変数、処置変数を固定効果の説明変数としたモデルで、計算された逆確率重み(IPW; inverse probability weight)を重みとして、デフォルト設定で作成したレポートと同じです。これは、ATE(average treatment effect; 平均処置効果)がどのように推定されたかを表しています。
「傾向スコア加重モデル(ATET)」タブにも、あてはめた結果モデル(線形回帰モデルまたはロジスティック回帰モデル)に関する推定結果が表示されます。このモデルは、処置を受けた個体だけの集団での平均処置効果を計算するためのものです。この推定結果は、「一般化線形混合モデル」プラットフォームを用いて、結果変数を応答変数、処置変数を固定効果の説明変数としたモデルで、ATETを計算するための逆確率重み(IPW; inverse probability weight)を重みとして、デフォルト設定で作成したレポートと同じです。これは、ATET(処置群の平均処置効果; average treatment effect on the treated)がどのように推定されるかを表しています。
「回帰調整モデル」タブには、あてはめた結果モデルに関する情報が表示されます。これら2つのモデルは、処置変数の2水準のうちの一方の処置水準だけのデータから求められた、線形回帰またはロジスティック回帰の推定結果です。ここでの結果は、個体を一方の処置水準だけに絞り込んだデータで、「一般化線形混合モデル」プラットフォームを用いて、結果変数を応答変数、結果モデルに指定した共変量を固定効果の説明変数として、デフォルト設定で推定した結果と同じです。
処置変数が二値変数で、「処置変数のモデル」を指定し(つまり、IPWRまたはAIPWによる推定の場合)、なおかつ、結果変数(Y)に欠測値が含まれる場合は、「打ち切りモデル」セクションに4つのタブが表示されます。
「打ち切りモデル: 処置 = 1」、「打ち切りモデル: 処置 = 0」タブには、あてはめた打ち切りモデルの推定結果が表示されます。これらの打ち切りモデルは、自動的にあてはめられます。これらの打ち切りモデルは、2つの水準のうちの一方の処置水準だけのデータから推定されたロジスティック回帰モデルです。このようにデータを絞り込んで、「一般化線形混合モデル」を用いて、Yが欠測値であるかどうかを示す指示変数を応答変数、処置モデルに指定した共変量を固定効果の説明変数として、デフォルト設定で推定されたロジスティック回帰モデルの結果と同じです。
「打ち切り切片モデル: 処置 = 1」、「打ち切り切片モデル: 処置 = 0」タブには、打ち切りモデルに関する推定結果が表示されます。これらの打ち切りモデルは、自動的にあてはめられます。これらの打ち切りモデルは、2つの水準のうちの一方の処置水準だけのデータから推定されたロジスティック回帰モデルです。このようにデータを絞り込んで、「一般化線形混合モデル」を用いて、Yが欠測値であるかどうかを示す指示変数を応答変数にして、説明変数を何も含めない切片だけのモデルとして、デフォルト設定で推定されたロジスティック回帰モデルの結果と同じです。
因果効果の推定値を計算するのに、打ち切りモデルがどのように使わるかについては、結果変数に欠測値がある場合の統計的詳細を参照してください。
処置変数が連続変数の場合処置変数が連続変数の場合は、「処置変数のモデル」を指定する必要があります。「処置モデル」セクションには、「傾向スコアの計算: 処置変数」および「傾向スコア切片モデル」というタブが表示されます。
「傾向スコアの計算: 処置変数」には、処置モデルとして使われた線形回帰モデルの推定結果が表示されます。この推定結果は、「一般化線形混合モデル」プラットフォームを用いて、処置変数を応答変数、処置モデルで指定した変数を固定効果の説明変数として、デフォルト設定で線形回帰モデルを推定した結果と同じです。この処置モデルでは、特定の共変量のもとでの処置変数の条件付き密度をモデル化しています。
「傾向スコア切片モデル」タブには、切片だけの処置モデル(切片だけの線形回帰モデル)の推定結果が表示されます。この推定結果は、「一般化線形混合モデル」プラットフォームにおいて、処置変数を応答変数に指定し、説明変数に何も指定しないで、デフォルトの設定でロジスティック回帰モデルをあてはめた結果と同じです。これは、処置変数の周辺密度をモデル化しています。こうして計算された周辺密度は、安定化重みの計算に使われます。
処置変数が連続変数の場合、「結果モデル」セクションには、「SIPWを使った周辺構造モデル」および「一般化傾向スコアモデル」というタブが表示されます。
「SIPWを使った周辺構造モデル」タブには、IPWR法によって推定された周辺構造モデルの推定結果(重み付き線形回帰または重み付きロジスティック回帰の結果)が表示されます。この推定結果は、「一般化線形混合モデル」プラットフォームを用いて、結果変数を応答変数、処置変数およびその2乗を固定効果の説明変数、計算された安定化重み(安定化された逆確率重み)を重みとして、デフォルト設定で推定した結果と同じです。このモデルの詳細については、処置変数が連続変数である場合の統計的手法を参照してください。
「一般化傾向スコアモデル」タブには、一般化傾向スコア法よる結果モデル(線形回帰モデル)の推定結果が表示されます。この推定結果は、「一般化線形混合モデル」を用いて、結果変数を応答変数、処置変数、処置変数の2乗、計算したGPS(データテーブルに「観測 GPS」として自動的に保存される一般化傾向スコア)、GPSの2乗、さらに、処置変数およびGPSの交互作用を固定効果の説明変数として(Hirano and Imbens 2005)、デフォルト設定で推定した結果とと同じです。このモデルの詳細については、処置変数が連続変数である場合の統計的手法を参照してください。
処置変数が連続変数の場合、「結果モデル」セクションには、潜在変数平均を推定するのに用いられた上記のような2つの異なるモデルの結果が示されています。
処置変数が連続変数の場合、打ち切りモデルは計算されず、このセクションは空になります。ただし、結果変数だけが欠測値であるようなデータ行も、傾向スコアの推定には含まれます。