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Lenthの方法で計算された疑似的な標準誤差(PSE; pseudo standard error)が、注釈またはオプションリストのすぐ下に表示されます (疑似標準誤差については、第 “LenthのPSE”に説明があります。)パラメータ推定値の分散が等しいかどうか、また、パラメータ推定値間に相関があるかどうかに応じて、表に表示される統計量は異なります。
[標準化して等分散になった推定値を使用]オプションは、分散を標準化するために正規化した変換を適用します。分散が等しくない場合、このオプションがデフォルトで選択されています。
[直交化して無相関になった推定値を使用]オプションは、パラメータ推定値間の相関をなくし、無相関にする変換を適用します。元のパラメータ推定値の間に相関がある場合、このオプションがデフォルトで選択されます。なお、直交化で適用される変換は、逐次平方和(タイプIの平方和)を計算するのに使われる変換と同じです。変換された推定値は、現在の変数を、それ以前の変数を含んでいるモデルに追加したときに、どれだけ寄与が増加するかを表します。
検定のp値。変換が適用された場合は、変換したデータを使った検定のp値です。
誤差の自由度がない場合、p値の代わりに表示されます。この疑似p値はt分布を使って求められます。自由度はm/3を整数に丸めた値です。mはパラメータの数です。
[標準化して等分散になった推定値を使用]が選択され、「パラメータ推定値は無相関」という注釈が表示されている場合、レポートには「標準化推定値」という列が表示されます。この列には、等分散になるよう変換したパラメータ推定値が表示されます。
[標準化して等分散になった推定値を使用][直交化して無相関になった推定値を使用]の両方が選択されている場合、レポートには「直交コード化」という列が表示されます。次の情報が示されます。
等分散で無相関の推定値の「要因のスクリーニング」レポートのレポートは、「Bicycle.jmp」サンプルデータに添付されている「モデルのあてはめ」スクリプトを実行すると作成されます。メニューより作成する場合は、[要因のスクリーニング]>[正規プロット]を選択します。レポートの先頭にある注釈は、推定値は等分散で無相関であり、変換が必要でないことを示しています。このような場合、元の推定値から「Lenthの標準誤差(PSE)」が計算されます。誤差には自由度がないため、誤差分散の推定値は求められません。そのため、Lenthの標準誤差によって、t値を求めます。そして、そのt値に基づき、p値を求めます。p値が0.20以下である3つの推定値が強調表示されています。
図3.43 等分散で無相関の推定値の「要因のスクリーニング」レポート
「Odor.jmp」サンプルデータを開き、添付されている「モデル」スクリプトを実行し、呼び出された起動ダイアログで[実行]ボタンをクリックしてください。その後、「応答 臭気」の赤い三角ボタンのメニューから[要因のスクリーニング]>[正規プロット]を選択すると、分散が等しくなく、相関がある推定値の「要因のスクリーニング」レポートのレポートが作成されます (または、「応答 臭気」の赤い三角ボタンのメニューから[Bayesプロット]か[パレート図]を選択してください)。
レポートには、「Lenthの標準誤差(PSE)」の「t値スケール」と「コード化されたスケール」が表示されます。しかし、この例では誤差の自由度があるため、「パラメータ推定値の母集団」レポートの検定では「Lenthの標準誤差(PSE)」は使用されていません。 p値が0.20以下である3つの推定値が強調表示されています。「パラメータ推定値の母集団」レポートの最後には、直交化された推定値は、モデルに指定された効果の順番に依存するという注釈が出力されています。
図3.44 分散が等しくなく、相関がある推定値の「要因のスクリーニング」レポート
「推定値の相関」レポートは、推定値に相関がある場合にのみ表示されます(分散が等しくなく、相関がある推定値の「要因のスクリーニング」レポート)。このレポートには、パラメータ推定値の相関行列が表示されます。このレポートは、赤い三角ボタンメニューから[推定値]>[推定値の相関]を選択したときに表示される相関行列と同じです。ただし、よりコンパクトに表示するために、列見出しは付いていません。詳細は、第 “推定値の相関”の節を参照してください。