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公開日: 11/25/2021

「選択モデル」プラットフォームのオプション

「選択モデル」の赤い三角ボタンのメニューには、以下のオプションがあります。

メモ: [階層型Bayes]を指定した場合、被験者ごとの係数値は、モンテカルロ標本を使って計算されます。そのため、以下のオプションの計算結果は、実行するたびに異なります。

尤度比検定

尤度比検定を参照してください。

Image shown here最尤推定値の表示

(階層型Bayesで使用できます)モデル項の係数を、通常の最尤法で推定した結果(パラメータ推定値と標準誤差)。これらの値は、階層型Bayesアルゴリズムの開始値として使用されます。

複合因子検定

(階層型Bayesでは使用できません)モデル内の各因子を検定する目的で、その因子が関連しているすべての効果の尤度比検定を行います。複合因子検定の詳細については、『基本的な回帰モデル』の複合因子検定を参照してください。

信頼区間

(階層型Bayesでは使用できません)「パラメータ推定値」レポートで各パラメータの信頼区間の表示と非表示を切り替えます。

信頼限界

(階層型Bayesで使用できます)「Bayesパラメータ推定値」レポートで各パラメータの信頼限界の表示と非表示を切り替えます。この信頼限界は、事後分布の2.5% と97.5% の各分位点に基づいて計算されます。

推定値の相関

[階層型Bayes]が選択されていないときには、最尤法に基づいて、パラメータ推定値間の相関行列を表示します。

階層型Bayesの場合は、係数値の事後平均における相関行列を表示します。この相関行列は、バーンイン後の反復から求めたものです。バーンイン後、反復ごとに全被験者における事後平均が計算されます。これらの事後平均から求めた相関行列が、「推定値の相関」表に表示されます。

全水準の推定値

モデルに含まれている各効果の周辺確率と限界効用の表示と非表示を切り替えます。周辺確率とは、他の属性をすべて平均またはデフォルトの水準に固定したときに、人が属性因子Bではなく属性因子Aを選択する確率を指します。

図4.18において、(生地とトッピングは同じという条件で)被験者がモンテレージャックのピザではなく、モッツァレラのピザを選ぶ確率は、0.9470です。

図4.18 「全水準の推定値」の例 

Example of Marginal Effects

効用プロファイル

異なる因子設定における効用の予測値の表示と非表示を切り替えます。効用とは、モデルにおいて線形式で表されている部分の値です。最適なプロファイルを見つけるに効用プロファイルの例があります。効用関数の詳細については、効用と確率を参照してください。[効用プロファイル]のオプションについては、 『プロファイル機能』の「予測プロファイル」のオプションを参照してください。

確率プロファイル

2つの製品が提示されたときに一方の製品を選択する確率を求めることができます。この確率は、次式で計算されます。

Equation shown here

Uは該当する製品の効用、Ubは基準となる製品の効用です。なお、この式に基づくと、2つの製品がまったく同じ場合、各製品が選択される確率は50%ずつです。効用と確率を参照してください。

確率プロファイルを使用する例は、基準との比較で紹介しています。[確率プロファイル]のオプションについては、 『プロファイル機能』の「予測プロファイル」のオプションを参照してください。

多選択プロファイル

指定した数の確率プロファイルが表示されます。複数の製品が提示されたときに、各製品が選択される確率が求められます。各製品のプロファイルは自由に設定できます。多選択プロファイルを使用する例は、多選択プロファイルの比較で紹介しています。[多選択プロファイル]のオプションについては、 『プロファイル機能』の「予測プロファイル」のオプションを参照してください。

比較

設定された選択肢の比較を行います。比較したい因子と値を選択することができます。なお、[すべて]チェックボックスをチェックした場合、すべての水準が比較されます。被験者効果がある場合は、製品の比較を行いたい、被験者の水準を指定できます。[すべて]チェックボックスを複数の因子でチェックした場合、それらすべての因子の水準での比較ではなく、該当する1 因子のすべての水準が、その他の因子を左側で選択されている水準に固定した上で、比較されます。

図4.19 「効用の比較」ウィンドウ 

Utility Comparisons Window

支払意思額

このコマンドは、モデルに連続尺度の価格列がある場合にのみ使用できます。顧客が新しい機能に対して支払っても良いと思う、基準となる機能コストからの最大価格増加(減少)を計算します。結果は、「基準」に指定された値を基準にして、背景因子の水準ごとに計算されます。

効用計算式の保存

複数のデータテーブルに対して分析を実行している場合は、効用の計算式列を含んだ、新しいデータテーブルを作成します。作成されたデータテーブルでは、各行がプロファイルと被験者の組み合わせに対応しており、プロファイルと被験者を示す列があります。1つのデータテーブルに対して分析を実行している場合は、「効用計算式」列がそのデータテーブルに追加されます。

被験者ごとの勾配を保存

(階層型Bayesでは使用できません。)各パラメータの変化量を被験者ごとに含んだデータテーブルを作成します。パラメータの変化量は、ヘッセ行列で尺度化した各パラメータの傾きを、被験者ごとに平均して求められています。これは、該当する被験者と他の被験者との差異に対するラグランジュ乗数検定に対応します。作成されたデータテーブルを、付随しているスクリプトでクラスター分析すれば、マーケットセグメント(同じ選好構造をもつ消費者集団)を特定することができます。勾配を参照してください。例として、セグメント化の例を参照してください。

Image shown here被験者推定値の保存

(階層型Bayesで使用できます。)各効果における被験者ごとのパラメータ推定値を含んだデータテーブルを新たに作成します。この値は、この被験者ごとに係数値を平均したものであり、「Bayesパラメータ推定値」レポートにある「事後 平均」です。「被験者 受容率」は、Metropolis-Hastings法のステップにおいて、現在のステップとは異なる係数値に移動した割合(受容率)を示します。一般に、0.20ぐらいが良好な受容率とみなされています。詳細については、Bayesパラメータ推定値を参照してください。

Image shown hereBayesチェーンの保存

(階層型Bayesで使用できます。)Bayes推定において使用されたチェーンの情報を含んだデータテーブルを、新たに作成します。詳細については、Bayesチェーンの保存を参照してください。

モデルダイアログ

「選択モデル」起動ウィンドウが開き、モデルを修正したり、別のモデルをあてはめたりすることができます。データテーブルやID、モデル効果を新しく指定できます。たとえば、現在のモデルから設定を少し変更して、別のモデルをあてはめることができます。

以下のオプションの詳細については、『JMPの使用法』のレポートのローカルデータフィルタレポートの[やり直し]メニュー、およびレポートの[スクリプトの保存]メニューを参照してください。

ローカルデータフィルタ

データをフィルタリングするためのローカルデータフィルタの表示/非表示を切り替えます。

やり直し

分析を繰り返したり、やり直したりするオプションを含みます。また、[自動再計算]オプションに対応しているプラットフォームにおいては、[自動再計算]オプションを選択すると、データテーブルに加えた変更が、該当するレポートに即座に反映されるようになります。

スクリプトの保存

レポートを再現するためのスクリプトを保存するオプションが、保存先ごとに用意されています。

Byグループのスクリプトを保存

By変数の全水準に対するレポートを再現するスクリプトを保存するオプションが、保存先ごとに用意されています。起動ウィンドウでBy変数を指定した場合のみ使用可能です。

より詳細な情報が必要な場合や、質問があるときは、JMPユーザーコミュニティで答えを見つけましょう (community.jmp.com).