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「Cholesterol Stacked.jmp」サンプルデータを例に見てみましょう。コレステロールを下げるための2剤の実薬を、プラセボ群やコントロール群(対照群)と比較する試験が行われました。コレステロール値が高い20名の患者に対し、4種類の処置(2種類の実薬群、コントロール群、プラシボ群)のいずれかが無作為に割り付けられました。各患者の総コレステロール値が、4、5、6月の第1日目において、午前・午後で測定されました(計6回の測定)。興味があるのは、新薬のいずれかにコレステロール値を下げる効果があるかどうかと、処置と時刻の間に交互作用があるかどうかです。
第 “共分散構造: 無構造”: [無構造]のモデルは、合計でJ(J+1)/2個の共分散パラメータをすべてあてはめます。この例では、21個の共分散パラメータがあります。
第 “共分散構造: 残差”: [残差]モデルは、単なる、独立で同一な誤差です。この例では、患者の効果を変量効果として含めます。よって、今共分散パラメータは全部で2個です。
第 “共分散構造: Toeplitz”: 異分散Toeplitz構造には、2J‐1個の共分散パラメータがあります。この例では、11個の共分散パラメータがあります。
第 “共分散構造: AR(1)”: このモデルには、2つの共分散パラメータがあります。1つのパラメータは分散です。もう1つのパラメータは、時間の経過に伴う共分散の変化を表します。
「Cholesterol.jmp」データテーブルは、反復測定データの記録によく使用される形式を取っています。[混合モデル]手法を使ってこのデータを分析するには、「Cholesterol Stacked.jmp」のようにコレステロールの測定値が1つずつ個別の行に入っていなければなりません。「Cholesterol.jmp」の形式から「Cholesterol Stacked.jmp」のようなデータを作成するため、[テーブル]>[列の積み重ね]を用いました。
積み重ねたデータテーブルの「日数」列では、実験の開始日から測定日までの経過日数が、計算式によって算出されています。この列は連続尺度になっています。共分散構造としてAR(1)を使う場合、時点を表す列は連続尺度でなければなりません。
1.
[ヘルプ]>[サンプルデータライブラリ]を選択し、「Cholesterol Stacked.jmp」を開きます。
3.
[ダイアログを開いたままにする]にチェックを入れ、次の例に移る際に起動ウィンドウに戻れるようにしておきます。
4.
「Y」を選択し、[Y]をクリックします。
5.
「手法」リストから[混合モデル]を選択します。
6.
「処置」「月」「午前/午後」を選択し、[マクロ]>[完全実施要因]を選択します。
図8.12 「モデルのあてはめ」起動ウィンドウの[固定効果]タブでの指定
7.
[反復構造]タブを選択します。
8.
「構造」リストから、[無構造]を選択します。
9.
「時刻」を選択し、[反復]をクリックします。「反復」列が被験者内の反復測定値を定義します。
10.
「患者」を選択して[個体]をクリックします。
図8.13 「モデルのあてはめ」起動ウィンドウの[反復構造]タブでの指定
11.
[実行]をクリックします。
「混合モデルのあてはめ」レポート - 無構造の共分散構造のような「混合モデルのあてはめ」レポートが表示されます。3つのモデルをAICcまたはBICを使って比較したいので、「適合度統計量」レポートを見てみましょう。無構造モデルのAICcは703.84です。
図8.14 「混合モデルのあてはめ」レポート - 無構造の共分散構造
1.
2.
[反復構造]タブの「構造」リストから[残差]を選択します。
3.
前回の例の続きで行う場合は、「時刻」「患者」を削除してください。
4.
[変量効果]タブをクリックします。
5.
「患者」を選択し、[追加]をクリックします。
6.
変量効果の領域で「患者」を選択し、次に「処置」を選択してから[枝分かれ]をクリックします。
図8.15 「モデルのあてはめ」起動ウィンドウの[変量効果]タブでの指定
7.
[実行]をクリックします。
「混合モデルのあてはめ」レポート - 分割実験モデルのような「混合モデルのあてはめ」レポートが表示されます。「適合度統計量」レポートでAICcを見ると、無構造モデルでは703.84だったのに対して、分割実験モデルでは832.55 となっています。
図8.16 「混合モデルのあてはめ」レポート - 分割実験モデル
1.
2.
前回の例の続きで行う場合は、[変量効果]タブの「患者[処置]」を選択して「削除」をクリックします。
3.
[反復構造]タブを選択します。
4.
「構造」リストで[Toeplitz 異分散]を選択します。
5.
「時刻」を選択し、[反復]をクリックします。
6.
「患者」を選択して[個体]をクリックします。
図8.17 「モデルのあてはめ」起動ウィンドウの[反復構造]タブでの指定
7.
[実行]をクリックします。
図8.18 「混合モデルのあてはめ」レポート - Toeplitz 異分散構造
1.
2.
前の例から続けて分析を行う場合は、「反復」ボックスで「時刻」を選択し、[削除]をクリックします。
3.
「構造」リストから、[AR(1)]を選択します。
4.
「日数」を選択し、[反復]をクリックします。
図8.19 「モデルのあてはめ」起動ウィンドウの[反復構造]タブでの指定
5.
[実行]をクリックします。
「混合モデルのあてはめ」レポート - AR(1)の共分散構造のような「混合モデルのあてはめ」レポートが表示されます。「適合度統計量」レポートを見ると、「AR(1)」モデルのAICcは652.63です。この数値を、「残差」モデルの832.55と「無構造」モデルの703.84、「Toeplitz 異分散」モデルの788.03と比較しましょう。AICc規準に基づくと、4つのモデルのうち「AR(1)」モデルが最良と言えます。
バリオグラムには、経験的準分散とAR(1)モデルの曲線が表示されます。「日数」に、ゼロでない値が5つしかないため、距離が4つしか測定できず、点も4つしか表示されません。AR(1)構造は、適切だと考えられます。他の構造について調べるには、「バリオグラム」の赤い三角メニューからオプションを選択します。「バリオグラム」のオプションの詳細については、第 “バリオグラム”を参照してください。
図8.20 「混合モデルのあてはめ」レポート - AR(1)の共分散構造
1.
「混合モデル」の赤い三角ボタンをクリックし、[周辺予測値プロット]>[プロファイル]を選択します。
「周辺モデルプロファイル」レポート(処置A群の周辺プロファイル)では、「処置」「月」「午前/午後」をさまざまに設定した場合のコレステロール(Y)への効果が確認できます。
2.
「月」のプロットで、赤い縦の点線を「April」から「May」へ、次に「June」へとドラッグしてみましょう。
「AM」におけるYの平均予測値は、「April」の277.4から「June」の177.7へと下がります。
3.
「処置」のプロットで、赤い縦の点線を「A」から「B」へドラッグします。
「月」のプロットで点線を「April」から「June」へとドラッグすると、処置が「B」の場合の「AM」におけるYの平均予測値が「April」の276.8から「June」の191.2へと下がることがわかります。
4.
「処置」のプロットで、縦の点線を「Control」(コントロール)へ、そして「Placebo」(プラセボ)へドラッグします。
「処置」が「Control」や「Placebo」の場合には、時間が経っても、コレステロールは減少しません(コントロール群の周辺プロファイル)。
次に、「午前/午後」の効果を調べます。
5.
赤い縦線をドラッグすることで、「処置」「月」をすべての水準の組み合わせに設定します。
図8.21 処置A群の周辺プロファイル
図8.22 コントロール群の周辺プロファイル
2.
「推定値の種類」リストから[ユーザ定義の推定値]を選択します。
6.
[推定値の追加]をクリックします。
7.
「比較の選択」リストで、[すべてのペアの比較 - TukeyのHSD検定]を選択します。
図8.23 「多重比較」ウィンドウで設定を終えたところ
8.
[OK]をクリックします。
1.
第 “共分散構造: AR(1)”第 1 步第 4 步の手順を行い、「モデルのあてはめ」起動ウィンドウに戻ります。
3.
「処置」「日数」を選択し、[マクロ]>[完全実施要因]を選択します。
図8.25 「モデルのあてはめ」起動ウィンドウの[固定効果]タブ
4.
[実行]をクリックします。
「混合モデルのあてはめ」レポート - AR(1)構造の連続時間モデルのような「混合モデルのあてはめ」レポートが表示されます。「処置」と「日数」の交互作用が有意になっています。これは、日数を説明変数とした回帰直線の傾きが、薬剤によって異なることを示しています。
図8.26 「混合モデルのあてはめ」レポート - AR(1)構造の連続時間モデル