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効果Xのてこ比プロットは、基本的には、X残差とY残差の散布図です(モデル全体と効果のてこ比プロット)。ただ、解釈しやすいように、Y残差にはYの標本平均が、Xの残差にはXの標本平均が足されています。このようにY残差に標本平均を足したものを「Yてこ比」、X残差に標本平均を足したものを「Xてこ比」とJMPでは呼んでいます。Xに対するてこ比プロットは、「Xてこ比」と「Yてこ比」の散布図です。
てこ比プロットの仕組みは、てこ比プロットで残差がどのように表現されているかを示しています。点から回帰直線までの距離は、すべての効果を含んだモデルでの残差です。点から水平線までの距離は、その効果がモデルに含まれていないときの残差を表します。つまり、てこ比プロットの水平線は、その効果のパラメータの値が0に制約されているときのモデルを表しています。
図3.56 てこ比プロットの仕組み
図3.57 てこ比プロットで示される有意性
てこ比(leverage)という用語を用いているのは、これらのプロットが、各効果の検定に対する点の影響を視覚化しているからです。てこ比プロットの横軸方向で端にある点は、中央付近にある点よりも、その効果の検定に対して影響が大きいことを示唆しています。ある効果の検定では、モデル全体の残差平方和と、その効果を除外したモデルでの残差平方和が比較されます。プロットの両端のほうにある点は、仮説で制約した場合としない場合の残差の差が大きくなる傾向があります。そのため、両端のほうにある点は、その効果の仮説検定の平方和に大きく影響します。
1.
[ヘルプ]>[サンプルデータライブラリ]を選択し、「Big Class.jmp」を開きます。
3.
「体重(ポンド)」を選択し、[Y]をクリックします。
4.
「身長(インチ)」、「年齢」、および「性別」を選択し、[追加]をクリックします。
5.
[実行]をクリックします。
モデル全体と効果のてこ比プロットの左側は、予測値と実測値のプロットです。右側は、「身長( インチ)」に対するてこ比プロットです。左側のグラフは、モデル全体に対する検定、つまり、モデルに含まれるすべての効果についての検定を表しています。信頼曲線が水平線と交わっているので、モデル全体では有意であることが分かります。一方、右側の「身長(インチ)」に対するてこ比プロットでは、「年齢」「性別」のモデルに、さらに「身長(インチ)」を追加することは有意であることを示しています。いずれのてこ比プロットでも、影響力が飛びぬけて強い点や、多重共線性の問題は見られません。
図3.58 モデル全体と効果のてこ比プロット