工業分野で最も普及している実験計画の一つとして、スクリーニング計画が挙げられます。スクリーニング計画の種類には、一部実施要因計画・完全実施要因計画・Plackett-Burman計画・主効果計画・混合水準計画があります。スクリーニング計画は、通常、一連の調査における初期段階で使用され、多数の因子の中から応答に対する影響が大きい因子を探し出します。そして探し出された因子をもとに、応答曲面計画などのより感度の高い計画でさらに検討を進めていきます。一般に、スクリーニング計画には、他の計画と比較して実験回数が少ないという利点があり、工程を効率的に改善できます。
実験の状況に合う標準的なスクリーニング計画が存在する場合は、それらの計画から選択できます。場合によっては、ブロック因子のあるスクリーニング計画を用いることもあるでしょう。因子には、連続変数・カテゴリカル変数・離散数値変数(連続変数だが実験では離散値のみを設定したい変数)を使用できます。一部実施要因計画を参照してください。
標準的なスクリーニング計画が1つもない場合、スクリーニング計画プラットフォームでは、主効果スクリーニング計画(main effects screening design)が作成されます。主効果スクリーニング計画は、交互作用が無視できるほど小さい状況において、主効果を効率よく推定するための計画です。主効果スクリーニング計画を参照してください。
連続変数の因子を3水準で調べたいときは、混合水準スクリーニング計画(mixed-level screening design)を作成します。混合水準スクリーニング計画(「混合水準因子の直交主効果スクリーニング計画」ともいう)は、2次効果についても一定の推定能力を持ちながら、主効果の推定に重点を置いています。混合水準スクリーニング計画を参照してください。
JMPでは、スクリーニング計画に代わる、次の2つの便利な実験計画も用意しています。
• 決定的スクリーニング計画は、2因子間交互作用が存在していると考えられる状況や、連続尺度の因子がもつ効果が曲線的であると考えられる状況において、特に有用です。決定的スクリーニング計画を参照してください。
• カスタム計画は、高度に柔軟で、さまざまな種類の因子と計画の制約に対応できます。カスタム計画を参照してください。
図10.1 一部実施要因計画の結果